3月決算の発表が佳境に入っています。今は、短期資金が「決算プレイ」といわれるトレードを盛んにやる時期です。今回は、ネガティブ・サプライズ銘柄(失望される決算を発表した銘柄)をすばやく売って下がったら買い戻すのが主流です。もちろん、ポジティブ・サプライズ銘柄(好感される決算を発表した銘柄)はすばやく買って、上がったら売るトレードもありますが、今回は、ネガティブ・サプライズが多くなっています。

決算発表で注目されるのは、新年度(2015年3月期)の業績予想です。会社発表の予想が、アナリストのコンセンサス予想を大きく下回っているもの、大きく上回っているものが決算プレイの対象になります。

(1)28日発表の決算サプライズ銘柄

休暇明け30日の日経平均は、15円高の14,304円でした。方向感のない相場でしたが、28日に決算を発表した銘柄には売り買いが膨らみました。以下が28日に決算を発表した主要企業です。

今期(2015年3月期)連結経常利益の会社予想と市場予想比較

(出所)経常利益の会社予想は各社決算短信、市場予想はIFISコンセンサス予想

表をご覧いただけるとわかる通り、28日発表の今期予想が市場予想を下回った銘柄の多くが値下がりしています。

ただし、パナソニックの値下がりは▲0.1%と小さくなっています。パナソニックの発表した今期予想は、必ずしもネガティブと市場には受け止められていません。会社発表した経常利益予想が市場予想を下ぶれたのは、事業構造改革費など1900億円を営業外費用に計上するためです。会社の収益体質を強化するための前向きの費用と捉えることができるので、大きく売り込まれることはありませんでした。

(2)予想通り、日銀の追加緩和はなし

25日、4月の日銀政策決定会合の結果が発表されました。追加緩和はありませんでしたが、事前予想通りなので、市場で特に材料視されませんでした。

今日も、決算発表で個別銘柄が売り買いされる「決算プレイ」だけが相場を動かす材料となる展開が続きそうです。