為替市場で、再び円安(ドル高)が進み始めました。円安と連動して上昇してきた日経平均は、現時点で、円安の進行に対して出遅れています。今後、出遅れを取り戻す形で、4月は上昇基調が続くと予想しています。
(1)ドル/円レートと連動する日経平均
まずは、以下のグラフAをご覧ください。ドル/円為替レートと日経平均のチャートが見事なほど、そっくりなのがわかると思います。日本経済を苦しめてきた円高の解消にしたがって、日本株が上昇してきたことがよくわかります。
(グラフA)ドル/円レートと日経平均(2013年1月~2014年3月)
上段がドル/円レート 下段が日経平均
ほとんど同じように動いてきたのが、今年の1-3月は、円安の方が先に進んでいます。米景気が大雪による停滞を脱し、復調してきたことを為替レートが先に織り込んでいるのだと思います。
日経平均は4月の消費税増税の影響に対する懸念で、足元、出遅れ感が高まっています。増税後の景気の落ち込みが「想定線」ならば、4月の日経平均は出遅れを取り戻す形で上昇が続くと予想しています。
(2)為替市場で、さらに円安が進む余地が高まってきた
日米景気のモメンタムが、1-3月と4-6月で逆になります。4月から、日本の景気が弱くなる一方、アメリカの景気は大雪の影響がなくなり強さを取り戻す見込みです。
1-3月 | 4-6月(予想) | |
---|---|---|
日本 | 強い | 弱い |
アメリカ | 弱い | 強い |
金融政策 | 日本:追加緩和なし アメリカ:金融緩和縮小 |
日本:追加緩和期待 アメリカ:金融緩和縮小 |
為替への影響 | ドル高(円安)が進まない | ドル高(円安)が進みやすい |
1-3月は、ドル長期金利が上昇しませんでしたが、4-6月は、上昇の可能性が出てきました。日米長期金利差が拡大すると、ドル高(円安)が進みやすくなります(チャートB)。
(チャートB)日米長期金利差拡大にともない、ドル高(円安)が進行
上段は、アメリカと日本の長期金利(10年国債利回り)推移
中段は、アメリカと日本の長期金利差(ドル金利-円金利)
下段は、ドル円為替レートの推移