需給と市場のテーマ

為替相場を予測する上で、短期的な要因としてマーケットの需給はどうなっているか、そして現在の市場テーマは何か、あるいは重要度の順位はどうかということが注目されます。ドル円の需給の例でみれば、貿易赤字が続いているということは貿易取引でドル買いが常に勝っているということになります。しかし、四六時中勝っているということではなく、ひと月の中でこの日はドル買いが多いとか、一日のなかでこの時間はドル買いが多いとか、あるいはこの相場水準では輸出(ドル売り)が勝っているということが起こります。例を挙げてみます。

  • ひと月の中では、五、十日(ごとび)に輸入決済のドル買いが集中することや、月末にドル買いが集中することなど。
  • 資本取引では、月末近くや月初に投信の設定が多いため、外貨建て投信が多い月だとドル円以外にも円売りが盛んになる。
  • 外貨建て債券の利金の円転(外貨を円に換えること、ドル売り)は2月、5月、8月、11月の15日に発生。この数日前は円高に注意。
  • 一日の中では、午前10時前に各銀行がその日の公示レートを決めるため、輸出企業のドル売りが多いと10時前後に円高に、輸入企業のドル買いが多いと円安に動く癖があります。10時前後10分間ぐらい相場をみてもらうと動いているのが分かると思います。しかし、事前に今日はドル買いかドル売りかどちらが多いかということはわかりません。相場の動きを見て判断するしかありません。
  • 日時だけでなく、相場水準が需給に影響してくることもあります。例えば、この水準以上だと自動車会社の輸出に伴うドル売りが待っているということも起こります。短期的な需給は供給(ドル売り)が勝るということになり、短期的に円高が進みます。

このように、現時点では買い方が多いのか、売り方が多いのか需給を探ることが短期的な相場を予測する上でプラスになりますが、為替は24時間世界中で動いているため株のようにはいきません。しかし、新聞を読んだり、情報収集したりして常に意識しておくことは大切です。

市場テーマ

相場を予測する上で、短期的あるいは中期的に現在のマーケットが注目しているテーマは何かを常に意識しておく必要があります。マーケットが注目しているテーマから外れていると相場予測は外れていきます。長期的には大きなテーマだが、短期的には重要度は低いとなると相場が読めなくなってしまいます。現在、マーケットが注目しているのは、

  • 米金融政策
  • その方向性を判断するための米雇用統計

    この2点が最も重要なテーマです。株高が続くのかどうか、円安が続くのかどうかということは、この2点の動向にかかっています。新聞を読む時も、これらに関する記事やニュースは必ず目を通しておくことが大切です。

その次にマーケットが注目しているのは、

  • 欧州の金融政策。現在利下げを継続していますが、常にスタンスが変化したのかどうか注目する必要があります。その間に物価は多少上昇しましたが、政策目標である2%未満にはまだまだ低い数字です。
  • 新興国経済の代表としての中国経済の動向。GDPが注目されますが、毎月景況感指数が発表されています。この数字によって相場が大きく動く時があります。特に豪ドルなどは中国の経済指標でよく動きますので、豪ドルの相場を予測する際には注目する必要があります。