このレポートの要点

  • 直近のマーケット:足元はOPEC(石油輸出国機構)の減産見送りなどで、原油・石油製品が弱気に推移
  • 値位置・テクニカル:東京金は節目4,300円を回復。東京ガソリンは75,000円を超えられず足踏み
  • トピックス:コモディティ(商品)の値動きに見られる季節習性を参考にしてみる

直近のマーケット

足元はOPEC(石油輸出国機構)の減産見送りなどで、原油・石油製品が弱気に推移

2014年11月6日(木)始値と11月12日(水)終値の騰落率

上記のグラフは、2014年11月6日(木)の初値と11月12日(水)の終値を比較した騰落率のランキングです。

コモディティ(商品)を中心に、株価指数・通貨の全体の1週間のおおよその値動きの流れを知ることができるかと思います。

値動きのポイントは以下のとおりです。

  • 貴金属:強弱材料が入り混じった金(ゴールド)は週を通じて国内外ともにほぼ横ばい
  • 石油:米雇用統計にて非農業部門雇用者数が弱い内容だったこと、OPECの減産見送りなど受けて下落。
  • 穀物:前週に米農務省の需給報告の事前予想で期末在庫の減少が指摘されたことなどを受けてシカゴ大豆先物が上昇。この流れを引き継ぎ東京一般大豆が急進。
  • 株・通貨:週半ばは米雇用統計を前に様子見機運が高まりおおむね小動き。週後半に円安が進む。日経平均が上昇。

値位置・テクニカル

東京金は節目4,300を回復。東京ガソリンは75,000円を超えられず足踏み

チャートはすべて以下の条件で掲載しています。

限月:期先(先限)
種類:日足
移動平均線:紫「9日」・緑「26日」
出所:商品先物取引ツール「Formula(フォーミュラ)」

東京金

・約2ヶ月ぶりに4,320円を回復
・10月からの上限およそ4,300円、下限およそ4,200円のレンジを上抜けた格好
・短期・中期の移動平均線は交錯状態で、トレンドの発生を示唆せず

東京白金

・約1ヶ月ぶりとなる4,500円を回復
・10月上旬の急落以降、安値を切り上げる格好
・移動平均線は短期線が中期線を上抜け、上昇トレンドの発生を示唆

東京ガソリン

・10月半ばの急落から反発局面が続いていたが、ここにきて75,000円の節目を越えられず、頭が重い状況。
・移動平均線は短期線が中期線を上抜けた。

東京とうもろこし

・10月上旬からの上昇局面が継続している模様
・26,000円を突破
・移動平均線は短期・長期ともに右上がり継続中

トピックス

コモディティ(商品)の値動きに見られる季節習性を参考にしてみる

コモディティ(商品)の値動きに見られる季節習性を知ることで、コモディティをより身近に感じる・コモディティを取引する、などのきっかけとなればと思い、「季節習性」を今回のトピックスとしました。

季節習性とは、「季節によって値動きに傾向が見られやすい」ということで、具体的には以下のものがあげられるかと考えております。

当然、マーケットはこの季節習性以外の要因が材料視されて価格が動くことはままにあり得ますので、必ず毎年習性とおりに動くとは限りません。

リーマンショックなどの金融危機時、各国の金融政策が変わる時、地政学的リスクが高まった時など、大きな出来事が起きる可能性が指摘されている、あるいは起きた時はこれらの出来事が材料視され、季節習性をもとに動くと想定した方向とは逆の値動きとなることがあることをご留意の上、本資料をご参照ください。

次回のレポートのトピックスでは冬場に値動きに傾向が見られる銘柄をご紹介させていただければと考えております。

季節 どんな時期? どうなる傾向? 対象銘柄
東南アジアの主要生産国で乾季に入る ゴムの木からの樹液が出にくく生産が落ち込む ゴム
行楽・ドライブシーズンをむかえる 先進国・新興国の自動車大国での燃料需要が増加する ガソリン
世界有数の金需要国インドで婚礼シーズンをむかえる インド農村部に残る婚礼儀式にて花嫁の親が金を持参金として持たせる動きが強まる
秋~冬 主要国で収穫が完了し、作付けまでは天候の影響を受けない 年間で在庫が最大水準になった後、需要とともに在庫が減少していく とうもろこし
世界の人口の9割以上が分布する北半球で気温が下がる 世界的に暖房需要が増加する 灯油

※レポート内で使用しているデータについて
特にことわりがない限り、国内商品先物銘柄は6番目の限月(期先)を、海外商品先物はその時点で取引量が最も多い限月(中心限月)のデータを採用。