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投資をするための「最低知識」はどの程度必要か
山崎 俊輔
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投資をするための「最低知識」はどの程度必要か

2012/11/29
投資には知識が必要と言いますが、具体的にはどのようなレベルの知識が必要か考えてみたいと思います。
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投資に必要な「最低知識」を考えてみる

投資には知識が必要と言いますが、具体的にはどのようなレベルの知識が必要か考えてみたいと思います。

というのも投資初心者ほど「投資に必要な知識」が深遠なものであるように感じているようで、「そんな知識を持ってから投資をするなんて無理である」と決めつけてハードルを高くしてしまったり、「そんな知識は持てないのだから自己責任を求められても困る」と責任放棄してしまうからです。

「投資の知識」という言葉はあいまいで、異なった認識のもとコミュニケーションをしていると、どんどん噛み合わなくなることもあります。同じ「知識」という言葉を使っていても違った定義をしていれば、投資教育もままなりません。すでに投資をしている人も、「自分の知識は必要最低限を満たしているのか」と不安に感じているかもしれません。

実際のところ、投資には大きな知識的ハードルはなく、投資手法や投資商品によっては、シンプルな投資知識があれば十分であるように思います。逆にいえば投資知識に見合った投資手法や投資商品を選べばいいわけです(これは重要な論点ですが、ほとんどの人が気づいてないように思います)。

そこで、「なんとなく投資」から脱却すべく、あえて「投資の知識」を定義してみようというわけです。

資産運用に最低限必要な知識はどれくらいか

試みに「投資スタート前に知っておきたい知識の内容 Ver.1.0」を考えてみます。

アセットクラスに関する知識
基本的な投資対象としてどのようなモノがあるか知っておくべきでしょう。株式や債券(国内外)といった基本的なアセットクラスの特性の基礎的理解がまず必要です。合わせてアセットクラスごとの期待リターンやリスクの大きさを理解できれば自分が購入する投資商品の中身を理解・判断できることになります。
投資商品に関する知識
アセットクラスの知識と関連して、投資商品として投資信託や預貯金、債券などの仕組みの理解が必要です。どのような仕組みで集金され、投資され、自分に戻ってくるのか、またどのような要素で値動きが生じるのか商品性の理解が欲しいところです。これは具体的な個別商品の購入以前に必要であり、購入時点で初めて知るべきものではありません。個別商品に対峙したときの理解力を養うために、できるだけ類型的・汎用的な商品知識が欲しいところです。
商品売買に関する基本ルール
投資をするにあたって売買ルールの基本を知る必要があります。購入の方法や単位、手数料の理解は当然ですし、売却の条件についても後述の税制とともに理解が必要です。現物株やETFの場合、発注から成約までのルールも学習が必要です。投資信託の場合は基準価額の理解と売買が成立するタイミング(翌日以降になることも含めて)等の売買ルール理解が求められます。
投資理論に関する知識
投資理論をどこまで理解したうえで投資にチャレンジすべきかは難しいですが、やはり基本中の基本を押さえることは必要でしょう。少なくとも「分からない商品を購入してはいけない」「リスク資産運用における運用の結果は自己責任として受け入れなくてはならない(金融機関に過失のある場合を除く)」という自己責任の原則理解は必要です。投資理論以前の内容かもしれませんが、この段階で投機欲に負けている人は多く、一度しっかり理解しておくべきだと思います。希望としては分散投資の概念(リスクを抑えるための方法)くらいは知っておいてほしいところですが、「初めて」の段階でどこまで求めるかは難しいところです。
投資情報に関する知識
投資に関する情報の収集方法やインデックス等の基礎知識も最小限度は必要でしょう。テレビのニュースの最後に出る基本的なインデックスの種類や内容、為替の情報の意味、景気や経済実態を示す各種情報の理解もあれば望ましいところです。ただしあまり多くを求めると「最低知識」としては多すぎてしまい、学ぶ側が飽和状態になる懸念もあります。
税制に関する知識
証券税制に関する最低限度の知識はやはり必要でしょう。どのような場合に投資は課税されるのか、またどのような税率によるのか知らずに投資をするのは愚かなことです。証券総合口座の概念や確定申告との関係なども知っておきたいところです。ここの学習をサボって確定申告時に焦ることにならないようにしたいものです。また、税制優遇のある資産形成制度についての理解も商品理解と同様に重要です。

その他「ライフプランに関する知識」もあげたいところですが、少額の資金で「初めて」の投資をするのであれば、最低知識としては不要と考え、今回は外します。実際にはリスク許容度をまじめに検討するにあたってライフプランとの接合が必要になってきますし、定期的な資金の積立をさせるための家計管理の技術習得なども必要になることは間違いありません。

2冊ほど本を読む時間があればなんとか投資はスタートできるか

いずれの知識も投資額を拡大したり、投資範囲を広げていく際には知識範囲の充実が必要になってきます。例えば、投資対象をコモディティに拡充するなら投資対象としての理解が必要ですし、売買頻度を高める人は指値の入れ方を覚える必要があるでしょう。ポートフォリオをしっかり管理する必要性が出てくれば、投資理論も学んでいく必要があります。

しかし、少額からの投資をスタートし、一歩目を踏み出すのであれば、投資の基礎を学ぶ書籍が一冊(例えば山崎元氏の「お金をふやす本当の常識―シンプルで正しい30のルール」など)を読み、具体的な売買ルールや税制についてネット証券会社がそれぞれ提供しているWEBの解説コンテンツを読めばいいと思います。

もう少し本気で事前学習したい人は「複数の著者(できれば3人)のマネー本を読む」「運用テクニックを語る本、ライフプランを語る本を複数読む」学習がいいと思います。初心者ほど投機的なアプローチの本に目を奪われますから、ベーシックな本も意識的に選ぶといいでしょう。

逆に何十冊も読む必要はありません。そこそこの知識をアタマに詰め込んだら、実践してみればいいでしょう。なお、初めて自転車に乗れば転ぶわけですから、投資初体験も失敗する可能性を前提に少額投資でチャレンジすればいいでしょう。失敗は必ずよい経験となり、その後転ばなくてすむためのノウハウになります。

車を運転するのに車のメカニズムの全ては知らなくてもいい

おそらく投資知識と実際の投資行動との関係を例えるのにちょうどいいのは「自動車の知識と運転」ではないかと思います。ドライバーは、車の機構に関する知識は免許を取得する時点で覚える内容で十分です。細かいところは代理店や整備工場に頼めばいいからです。

ドライビングテクニックもレーサー並に熟達するまでハンドルを握れないわけではありません。基本的なドライビングスキルと法令(交通標識等)が理解できていれば、公道の運転は可能です。

車の運転をできるようになるためには最低限度の知識があればよく、むしろ実践で学ぶところが多くなります。初心者ドライバーでも車に乗るだけで世界は大きく広がります。
資産運用も同様で、最低限度の知識を有したら、投資という広い世界に飛び込んでみればいいと思います。

もちろん、初心者は初心者として振る舞うべきであり、初心者が高速道路で120キロを出すことはオススメできません(いや、ベテランでもダメですが)。運転初心者は少し遅めのスピードで安全運転しながら経験値を積む必要があるように、投資の初心者も投資額を少額にするとか、リスクの低い商品からスタートするなどのちょっとした工夫をしてみればいいのです。

資産運用においては、教習所や免許の試験場はありません。また、実践にあたって初心者向けのレートも初心者向けフィールドもありません。投資初心者の「最低知識」をしっかり身につけ、投資をうまくスタートして欲しいと思います。

投資の「最低知識」はどれほど必要か

車の知識くらいに投資の知識も考えてみると

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