先週は、週前半14,407円まで反発するも再下落となり、14,026円まで下落

先週の予測としては、5月高値の信用期日接近を今月下旬に控え、信用買い残も増加して需給が悪化しつつあり、空売り規制の緩和もあり、先物の売り仕掛けに反応しやすくなるとしました。6日(水)のメッセージでは、チャートをみると、大きな三角保ち合い(A)の中で小さな三角保ち合い(B)を形成しており、目先は10月30日の14,526円を抜けると14,800円水準を目指すが、下値では10月25日の14,088円を下に切ると心理的フシの14,000円があり、ここを切ると10月8日の13,748円水準を試す可能性があるとしました。

結局、連休明けの日本市場は、海外の株高と円高一服を受けて反発で始まるものの、日産の下方修正で5日(火)は△23の14,225円と小反発に終わり、翌6日(水)は、トヨタの好決算報道で14,407円まで上昇するものの上げ幅を縮小し、△111の14,337円で引けました。トヨタの決算発表は上方修正となったものの、市場の平均値をわずかに下回ったことでインパクトはなく、7日(木)は先物主導で売られ▼108の14,228円でした。週末の8日(金)は前日のアメリカ株式が大幅下落となり、為替が円高方向へ振れたことで、寄付▼202の14,026円をつけました。しかし、14,000円水準は待ち伏せ買いもあり下げ幅を縮小して、▼141の14,086円で引けました。

今週は戻りを試す局面があっても上値は限定的

今週は決算がほぼ一巡し、先週末に手控え要因だったアメリカの10月雇用統計が予想を大きく上回る改善となったことでNYダウが史上最高値を更新し、99円台の円安となっていることで、日経平均は反発からのスタートとなります。

ただ、反発スタートとなっても、国内では大詰めを迎える主要企業の決算発表以外に目立った材料がなく、上値は追いづらいかもしれません。海外要因としては、13日(水)のアメリカでの財政協議があり、この協議で暫定予算の来年の1月5日、連邦債務上限の2月3日の期限までに合意できるかどうかの方向性が検討されますので、合意に到達する可能性が低下するようなら再び不透明要因が徐々に出てくることになります。又、14日(木)はイエメン氏のFRB議長の指名があり、イエメン氏が量的緩和の継続についての発言次第で為替が円高に動くことになります。

結局、本日11日(月)は△184の14,271円と高寄りして14,304円まで上昇するものの、ここが本日のピークとなって上げ幅をやや縮小し、△183の14,269円で引けました。目先は、まだ小さな三角保ち合いの中の動きとなっており、14,000~14,400円の小さなボックス圏の動きとなっています。但し、当面はどちらに抜けても、上値も下値も限定的といえます。

特別に大きな悪材料があるわけではありませんが、需給関係からは今月の下旬に高値の信用期日を控え、又、ヘッジファンドの決算月でもあり上値を追えず、又、海外株式は堅調といってもすでにドイツ、アメリカは史上最高値を更新しているところであり、高値警戒感から今後上値は重くなるとの見方が多く、日経平均の上値は限定的で下値リスクの方がやや高まっているという感じです。下値リスクといっても、チャートからは14,000円を切ってもすぐ下にアベノミクス相場が始まって以来まだ切ったことのない150日移動平均線(8日時点で13,981円)があり、これはかなり強力な下値抵抗ラインとなりますが、これを下回ると10月8日の13,748円が次の下値ターゲットとなります。

(指標)日経平均

先週の予測では、本格化している決算を前に一進一退の動きとなるとし、市場ボリュームが低水準のため先物主導によって振り回されるところがあるとしました。又、アメリカで重要な経済指標の発表があるため、為替の動きを見極めたいという動きも強いため、14,000~14,600円のレンジを想定しました。

連休明けは、連休中の海外株高の流れを背景に上昇基調となって、6日(水)は14,407円まで上昇しました。しかし、その後はトヨタの上方修正もすでに織り込みとなってインパクトとならず先物主導で売られ、7日(木)は▼108の14,228円、8日(金)はNYダウの大幅下落と為替の円高を受けて一時14,026円と14,000円すれすれまで下げ、終値は▼141の14,086円で引けました。6日(水)のチャート分析で、大きな三角保ち合い(A)の中で小さな三角保ち合い(B)を形成しており、目先は10月25日の14,088円を下に切ると心理的フシの14,000円、ここを切ると10月8日の13,748円が下値ポイントとしました。結局、14,000円を守って引けました。引け後のアメリカ市場で10月雇用統計が予想外の改善となったことでNYダウが史上最高値を更新し、ドルが買われて99円台となり、日経先物が14,260円となっています。

今週初めは、先週末の米雇用統計の結果を受けて為替が円安に進んだことで、買いが先行しそうです。アメリカでさらに株高とドル高が続けば別ですが、再び量的緩和の縮小時期の問題や財政協議、イエメン氏のFRB議長への指名会議への警戒感もあり、一段のドル高は難しいかもしれません。そうすると、国内では目立った材料も見当たらず、先物主導での荒い展開が予想されます。チャートでは、小さな三角保ち合い(B)の中の14,000~14,400円のボックス圏をどちらに抜けるかどうかとなりますが、どちらに抜けても大きな三角保ち合い(A)が控えており、トレンドとしての動きは出てきません。

週明け11日(月)は、アメリカ株高と円安を受けて△184の14,271円で寄付14,304円まで上昇するものの、ここをピークに上値重く△183の14,269円で引けました。

日経平均

(指標)NYダウ

先週の予測では、経済指標が注目だとしました。特に7日(木)の7-9月期GDPと8日(金)の10月雇用統計について、市場の見方は、10月雇用統計は政府機関の閉鎖の期間が含まれていることで悪化の見通しが大半でしたが、チャートの形としては、9月18日の15,709ドルと終値で上回って15,800ドルを超すことができれば短期の上昇トレンド(B)を上放れするものの、もう一段高の可能性があるとしました。

週前半は小動きだったものの、6日(水)は金融緩和策の長期化観測で△128の15,746ドルと史上最高値更新となりました。7日(木)は、欧州中央銀行の予想外の金利引き下げや米7-9月期GDPの予想を上回る結果を受けて15,797ドルと15,800ドルに迫りましたが、GDPの内容が失望され一転下落となり、▼152の15,593ドルで引けました。しかし、週末8日(金)は、10月雇用統計が市場予想を大きく上回ったことでサプライズとなり、△167の15,761ドルと終値で史上最高値を更新しました。為替もドルが買われて1ドル=99円台乗せとなりました。

今週は、ダウが最高値圏を維持できるかどうかに注目となります。先週末の10月雇用統計の予想外の改善は、本来量的緩和の縮小時期の早まりに結びつくところですが、目先は金融政策より景気拡大に反応して上昇したというところです。再び緩和縮小の時期の問題が出てくる可能性があり、今後堅調相場が維持できるかどうかは年末商戦に向けた個人消費の動向が左右することになります。高値圏での神経質な展開が続きそうです。

NYダウ

(指標)ドル/円

先週の予測では、量的緩和長期化の思惑も来年の3月以降までとの見通しからドル売り一服となり、アメリカの景気回復の見方も分かれるため、上下どちらかに一方的に進む動きとはならず、96.5~99円のレンジの動きを想定しました。

週前半は98円台前半での動きでしたが、7日(木)は欧州中央銀行の予想外の金利引き下げや米7-9月期GDPの予想を上回る結果を受けて99円台に上昇するものの、GDPの内容に失望売りが出て97.62円まで売られました。週末8日(金)は、予想外の10月雇用統計の改善でドルが買われ99.07円で引けました。

今週は、99円を挟んだ値動きが想定されます。金融緩和が継続か縮小かの思惑が再び出てくることになり、雇用統計の改善からは早い段階の縮小、FRB議長指名のイエメン氏はハト派ですので、継続の発言の見方もあり、動きにくいところです。98.5~99.5円の基本レンジを想定。

ドル/円