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信用売り(空売り)を使った株価変動リスクゼロの株主優待獲得法とは
足立 武志
知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識
株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのよ…

信用売り(空売り)を使った株価変動リスクゼロの株主優待獲得法とは

2010/9/2
資産運用に精通した公認会計士として活躍している、足立武志氏による「知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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株主優待と株価変動リスク

株主優待の権利確定日を半年に1度設けている3月決算銘柄であれば通常、下半期分の優待を受けるには9月30日現在で株主となっていなければなりません。したがって、今年は9月30日(権利確定日)を含めてそこから4営業日前の9月27日(権利付き最終日)までにお目当ての銘柄があれば買っておく必要があります。
株主優待の権利付き最終日が近づくと、魅力的な株主優待銘柄の株価の値上がりも目立ちます。しかし、株主優待の内容が魅力的であればあるほど、権利落ち後の株価の下落も大きくなってしまいがちです。
そのため、株主優待目当てに権利付き最終日近辺で買い、権利落ち後に売ると、株価の下落により売却損の方が配当金と株主優待として受けとる額よりも大きくなってしまうことがよくあります。かといって、権利付き最終日よりずっと前から持ち続けていても、その間に株価が大きく値下がりしてしまえば受け取る株主優待など雀の涙になってしまいます。

信用売りの活用で株価変動リスクを回避できる

でも信用取引を上手に使えば、このような株価下落リスクを回避しつつ株主優待を獲得することができることをご存知でしょうか。
まず権利付き最終日の前場取引開始前もしくは後場取引開始前に株主優待を獲得したい銘柄の「現物買い」と「信用売り(=空売り)」の注文を同株数、同価格で入れます。そして、翌営業日に信用売りを現渡し(現物株を差し出して信用売りの決済をすること)により全て決済すれば完了です。
権利付き最終日の「現物買い」と「信用売り」は両方とも同じ価格で執行されます。その上で信用売りを現渡しにより決済するので損益はゼロです。つまり、株価変動リスクゼロで株主優待を獲得することができるのです。
配当金についても、現物買いの分は配当金を受け取る一方、信用売りの分は配当落調整金として所得税控除後の配当金相当額(配当金の93%)の支払いが必要なので、ほぼ損益ゼロ(配当所得と譲渡所得が損益通算可能なことを考えれば、厳密にいえば若干のプラス)となります。
例えば、現物買いの配当金が10,000円、信用売りの配当落調整金が10,000円×93%=9,300円とします。これ以外に配当所得や譲渡所得が全くないとすれば、現物買いの配当金は10%(1,000円)の源泉徴収後の9,000円が手取りです。一方、配当落調整金として9,300円の支払いが必要ですが、これは譲渡損として配当所得と損益通算できますから、実際に支払うべき税額は(10,000円-9,300円)×10%=70円です。損益通算により源泉徴収された1,000円から70円を差し引いた930円は確定申告をするなどにより戻ってきますから、9,000円-9,300円+930円=630円のプラスとなるのです。
この結果、売買手数料や貸株料といった経費を除けば、この取引を実行することにより純粋に株主優待だけを獲得することができるのです。

いくつか注意点もある

ただし、この方法には次のような注意点もありますので気をつけましょう。 まずこの方法は「現物買い」と「信用売り」のセットになりますから信用口座を開設して信用取引ができる状態にしておくことが必要です。
また、株主優待は現物株を保有している株主しか受け取れませんから買いは必ず現物買いとします。信用買いでは株主優待を受け取ることができませんので注意してください。
そして、信用売りのできる銘柄でしかこの方法は使えません。上場銘柄の中には信用売りができない銘柄もあり、特に2部上場銘柄や新興市場銘柄には多く存在します。信用売りのできる銘柄かどうか、事前に確認しておくようにしましょう。

最も注意すべきは「逆日歩」

上記のような点に加え、最も注意すべき点があります。それが高額な「逆日歩(ぎゃくひぶ)」の発生です。逆日歩は「品貸料(しなかしりょう)」とも呼ばれます。
信用取引では信用買いと信用売りができます。信用買いはいわば借金で株式を買う行為です。一方、信用売りは誰かから株式を借りてきてその株式を売る行為です。信用買いで買い付けた株式は信用売りをする投資家が売る株式として使われます。
しかし、信用買いの残高(融資残高)より信用売りの残高(貸株残高)が多くなると、信用売りに必要な株式が足りなくなります。この場合、証券金融会社が機関投資家など大株主から株式を借りてきて足りない分を調達します。信用売りをした投資家は、不足する株式の調達コストを負担しなければなりません。このことを逆日歩というのです。
逆日歩の金額はその時々の株不足の程度や株式調達コストなどにより異なりますが、場合によっては獲得した株主優待の金銭的価値を上回る逆日歩が発生することもあります。
過去、株主優待の権利付き確定日付近で逆日歩がいくら発生していたかを確認し、高額な逆日歩が発生していた銘柄では実行を控えた方が安全です。また、常日頃から信用売り残高が信用買い残高を上回り、貸株不足で逆日歩が発生している銘柄も注意が必要です。企業規模の小さい(発行済み株式数の少ない)銘柄も少し空売りが膨らんだだけで株不足になる危険があります。
信用買い残高と信用売り残高の過去の推移をチェックし、信用買い残高の方が恒常的に多い(つまり逆日歩が発生する可能性が小さい)銘柄を選ぶようにするとよいでしょう。

実行時期によっては数日分の逆日歩が発生することも

なお、この方法では通常は空売りにより株式を借りるのは1日だけなので支払う逆日歩も1日分だけで済みますが、時期によってはカレンダーの関係上逆日歩を支払う日数が増えることもありますので注意してください。
例えば10月末決算銘柄の場合、今年は権利確定日(10月31日)が日曜日のため、株式を借りる日数が土日を含め3日間になります。そのため逆日歩も3日分必要となります。
また、今年4月末が権利確定日であった銘柄は、ゴールデンウィークの連休より逆日歩日数が6日間になりました。同様に今年12月末が権利確定日となる銘柄は、年末年始を挟むため逆日歩日数が5日間になります。1日分でも高額になりうる逆日歩が5日分、6日分となれば、大変な金額になることもあり得ますので十分に注意が必要です。

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