強弱材料がきっこう

 さまざまな強弱材料が出ていますが、総括して強弱がきっこうしているため、上下へトレンドが出にくくなっています。

【1】米大統領選

 景気刺激策・規制緩和を取るトランプ氏が勝利したことは強材料ですが、インフレ再燃・金利上昇のリスクを高めるのは弱材料です。

【2】日本の衆院選で与党大敗、少数与党に

 自民党主導で資本主義の成長戦略を進めるのが難しくなったことはネガティブ。野党の要求によって、財政拡大政策が取られやすくなったことが株式市場にプラスとの考えもあります。国民民主党による「年収103万円の壁撤廃」などの政策に期待が高まっています。

【3】日本でもインフレ復活

 企業業績にはプラスですが、利上げ・金利上昇・円高につながればマイナスとなります。

【4】企業業績

 9月中間決算がほぼ出そろいました。円安の追い風があるにもかかわらず、自動車など製造業が低調でさえない決算でした。ただし、ソフトバンクグループなど好業績を発表する企業もあり、東証プライムの9月中間純利益は辛うじて増益になりました。

 楽天証券経済研究所の予想では、今期(2025年3月期)純利益は4.8%増益となりますが、会社予想ベースではほぼ横ばい(0.2%の微増益)予想です。

東証プライム3月期決算主要841社の連結純利益(前期比%):2020年3月期~2025年3月期(予想)

出所:楽天証券経済研究所が作成