今日の為替ウォーキング

今日の一言

間違った知識には注意せよ。それは無知よりも危険である - バーナード・ショー

Private Eyes

 8月のNFP(非農業部門雇用者数)は雇用市場の減速を示す結果となった。BLS(米労働省労働統計局)が9月6日に発表した8月雇用統計では、NFPが前月比14.2万人増となり、事前予想の16.4万人増を下回った。また、7月の増加者数は11.4万人から8.9万人に大幅に下方修正され、製造業の雇用者数はマイナスに落ち込んだ。

 失業率は4.2%で、前月の4.3%から小幅に低下した。平均時給は前年比で3.8%増加し、前回の3.6%増を上回った。前月比でも0.4%増と、前回の0.2%増を上回った。

 9月雇用統計の予想とポイントは、「FRBもだまされた?米雇用統計を信用してはダメ!9月米雇用統計 詳細レポート」をお読みください。

 米国の雇用市場は緩やかに停滞に向かっているが、全体とすればFOMC(米連邦公開市場委員会)が9月会合で0.5%の大幅利下げをするほど悪化しているわけではなかった。これについてパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は「FRBがインフレ下落に追いつこうと急いでいるだけで、経済がおかしくなっているからでない」と説明している。次回11月のFOMCの利下げは0.25%の利下げになりそうだ。

 7月の雇用者の増加数は10万人以下に大幅修正されたが、これはハリケーンの影響で出勤できなかった労働者が多かったとせいである。そのような「一時的要因」を別にしても、米国の雇用市場は一時の勢いはなくなってきているのは確かだ。もっとも、それは新型コロナ後の異常な成長が落ち着き、米国の経済成長がトレンド並みに戻っただけなのだ。

 雇用者数増加数の減少は「過剰雇用の調整」であって、不況による大規模なリストラが原因ではない。個人消費の強さが示しているように、失業の不安は少ない。企業が従業員を繋ぎ止めるための高い賃金が高インフレの原因となってFRBを困らせていたことを考えるなら、雇用市場はむしろ良い方向に向かっているといえる。

今週の注目経済指標

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今日の注目テクニカルレベル

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Winners & Losers

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