円高ショックで日経平均急落

 先週(営業日7月8~12日)の日経平均株価は、1週間で278円上昇し、4万1,190円となりました。11日には一時、4万2,426円まで上昇しましたが、12日に円高急伸を嫌気して前日比1,033円安と急落したために、先週末の終値は4万1,190円となりました。

日経平均株価の週足:2024年1月4日~7月12日

出所:楽天証券MSIIより作成

 6月末から日経平均を急騰させた要因として4つあります。

【1】円安

 一時1ドル161円台まで進み、外国人投資家による日本株買いを誘いました。

【2】米国株高

 生成AI関連株のラリー、ナスダック総合指数の最高値更新が続いています。

【3】日米の金融環境

 米国で金融引き締めが続いていますが、年内に利下げが見込まれています。日本は年内に利上げが見込まれますが、急激な引き締めはなく、緩和的環境が続くと期待されています。

【4】4-6月決算への期待

 これから本格化する日本の4-6月決算は良好と期待されています。

 ところが、先週12日に日経平均が急落したことによって、日経平均週足は「長い上ヒゲ」となり、テクニカルに見て上値が重くなりそうです。日本株の強材料、上記【1】~【4】のうち、先週崩れたのは、【1】円安だけです。先週も、ナスダック総合指数は最高値を更新しており、生成AIラリーはまだ健在です。日米で当面、良好な金融環境が続く期待は続いています。

ナスダック総合指数の週足:2024年1月2日~7月12日

出所:楽天証券MSIIより作成

 なぜ、急に円高に転じたのでしょうか? 私の考えを解説します。