日本株は円安になると上昇し、円高になると下落しやすいといわれます。その理由として必ずしも正しくないのはどれ?

  • 海外で稼ぐ外需株の多い日本企業は円安になると外貨建て利益が増えるから
  • 日本株を買う外国人投資家にとって円安になると外貨建てで見た日本株が割安に見えるから
  • 円高になるときは世界全体が不景気になっていることが多いから日本株も下がりやすい

ヒント

為替は各国の金利差だけでなく国力を反映して値動きします。通常、日本の国力が上がれば円高に、下がれば円安になると考えると…。

解答

3:円高になるときは世界全体が不景気になっていることが多いから日本株も下がりやすい

株価と為替の関係は複雑で一概に決めつけることはできません。ただ、一般論として、日本の大企業には自動車や電気機器、精密機器など海外で収益を上げる企業が多く、円安になると①のように海外で得た米ドル建てなどの収益が円換算すると増加しやすいため、外需株の株価が上昇しやすくなります。また、日本株の売買高の7割前後を占めている外国人投資家から見ると、円安になると②のように外貨建てで見た日本株の価格が下がり割安に映るため、買いたい投資家が増えます。③のように、世界的に不景気になって世界同時株安になると、低金利の円を外貨に換えて世界各国に投資するキャリートレードの需要がなくなったり、安全資産である円に対する需要が膨らんだりするため、円高と株安が同時に進むことも多く、③も間違いではありません。例えば、2008年9月に発生したリーマンショックでは急速な円高と株安が同時進行しました。ただ、1980年代後半から1990年代初頭のバブルの頃は、日本の国力増加が海外で評価され、円高と株高が同時進行するなど、円高が株安に直結するとは必ずしもいえない面もあります。