日の為替ウォーキング

今日の一言

成功するためには、天才である必要はないし、先見の明を持つ必要もない。大学を卒業している必要すらない。必要なのはフレームワークと夢さえあればいいんだ。 - マイケル・デル

The Logical Song

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は5月の会合で、政策金利であるFF金利を5.25-5.50%の範囲に据え置くことを決定した。

 会合後の記者会見でパウエルFRB議長は、インフレ低下の進展具合に不満を示し「インフレ率が持続的に2%に向かっているとの確信がさらに強まるまで、金利引き下げが適切になるとは予想していない」との考えを示したが、一方で「次の動きが利上げになることはない」とも述べて、タカ派姿勢をさらに強めることはなかった。

 今回パウエル議長が、「物価の安定」だけではなく、FRBのもうひとつのマンデートである「雇用の最大化」に言及したことは重要である。これは、FRBがインフレへの挑戦だけではなく、経済成長とのバランスを考える段階に来たというメッセージだ。これまでの「経済を犠牲にしてもインフレを抑制する」というスタンスから、インフレをある程度まで容認しても経済が悪化しすぎないように「金利を引き下げる方向」へ政策を調整することを示唆している。

 FOMCの2日後に発表された5月の米雇用統計では、失業率が3.9%に上昇して、NFP(非農業部門雇用者)は17.5万人の増加にとどまり、前月の31.3万人増を大きく下回った。雇用統計の結果は、FOMCの政策方向は、「利下げ」か「利下げなし」かの二択を示している。現時点で「利上げ」の可能性は低いと考えられる。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成