今日の為替ウォーキング

今日の一言

熱心に学ぶ姿勢はやがて習慣として定着する

I Don't Want to Miss a Thing

 労働者一人当たりの平均賃金を示す現金給与総額(名目賃金)は、厚生労働省の発表によると、2023年の春闘が30年ぶりの高水準であったこともあり1.2%増加した。ところが、同年の消費者物価指数が大幅な上昇となったため、実質賃金は前年比マイナス2.5%だった。減少は2年連続で、減少幅は9年ぶりの大きさである。

 34年ぶりの円安が原材料の高騰に追い打ちをかけて、日本のインフレ率はさらに上昇する。賃金の伸びはインフレ率の上昇からさらに引き離されて、実質所得は減少の一途をたどることになる。消費者は、生活レベルを落とすか借金して今の生活を続けるかの二択しかない。日本の消費者の多くはクレジットカードの残高を増やすよりは生活を切り詰めようとする傾向が強い。経済感覚としては正しいが、消費が縮小するから企業は値上げを続けることができなくなり、インフレは一過性で終わってしまう。

 これは日銀にとって頭の痛い問題となっている。利上げをしなければインフレ上昇は止まらず、実質賃金はさらに安くなり消費が縮小する。かといって利上げをしてインフレが下がってしまえば、日銀は物価目標を達成できない。金利高が不景気を引き起こせば、消費はさらに縮小するリスクもある。どちらにしても、日銀は利上げできないのだ。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成