今日の為替ウォーキング

今日の一言

人が持てる力を放棄する最もありがちな方法は、自分には何の力もないと思いこんであきらめてしまうことである

Too Shy

 ディスインフレへの「ラストマイル」は、FRB(米連邦準備制度理事会)にとって、最も厳しい作業だ。9.0%から3.0%までは1年で下がったが、そこから2.0%にもっていくのは倍の時間がかかりそうだ。これはFRBに限ったことではなく、他の主要中央銀行も同じ悩みを持っている。だから利上げ政策からなかなか離れられずにいるのだ。

 しかし、インフレのラストマイルはとぼとぼ歩くよりも「全力疾走」になるというデータもある。欧米の耐久財インフレはわずか9カ月間でデフレに切り替わっている。中央銀行は、これ以上実質金利を引き上げ続けることが、果たして正しい政策なのかを自問するべき時期に来ている。

 前回1月の米CPIは、コア指数と総合指数がいずれも前月比・前年同月比ともに予想を上回る伸びとなった。コア指数は前月比0.39%上昇して、2023年4月以来の高水準。またスーパーコア指数は2022年4月以来の高水準となった。コア指数を押し上げたのは、OER(帰属家賃)と医療サービスの大幅上昇だ。一方で中古車価格は前月比3.4%下落し、2023年3月以来の大幅な下落となった。エネルギー価格も下落した。総合指数は前月比0.31%上昇した。前年比は12月の3.4%から1月は3.1%に低下した。

 OERとは、自宅を所有している世帯が、同じような住宅を賃貸する場合に支払うであろう家賃相当額を推定したものである。住宅価格や住宅ローン金利とは直接的な関係はないが、OERの上昇は、住宅需要が高く住宅供給が不足していることを示し、インフレ圧力の持続的な要因となっている。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成