今日の為替ウォーキング

今日の一言

感情をそのままマーケットに持ち込んでしまうと必ず負ける

Can't Fight This Feeling

 1月の雇用統計は、市場予想を上回る強い結果だった。特に雇用者の増加と平均労働賃金の伸びが目立ち、米国の労働市場が再び勢いを増していることを示した。この結果を受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ先送りの可能性が高まった。

 1月は、NFP(非農業部門の就業者数)は前月比で35.3万人増加して、事前予想の+17.8万人を大きく上回った。また12月の増加数は33.3万人に上方修正された3ヵ月間平均は28.6万人となり、FRBが「ちょうどよい」と考える増加数の月10万人から20万人程度の範囲を超えた。

 失業率は3.7%で前月と変わらず。平均賃金は、前月比で+0.6%と前月+0.4%から加速した。前年比では+4.5%と前月の+4.3%を上回った。賃金の伸びは新型コロナの期間平均を大きく上回り、FRBのインフレ目標2%に整合的とする範囲を超えている。

 1月のNFPは1月の増加数としては過去17年間で2番目の大きさとなった。特に目立つのが米国の製造業で、1月には2万3,000人、過去3カ月では5万6,000人の雇用を増やしている。製造業が採用縮小から拡大へと転換したことは、米経済がハードランディングどころか、「ノーランディング」に向かっている可能性が高いということである。

 それはまた、政策金利の水準はFRBが考えるほど景気抑制的ではないということにもなる。
そう考えるなら、マーケットが現在織り込む「年末までに1.5%の利下げ(3月を含めたFOMC:米連邦公開市場委員会で毎回0.25%利下げ)」というのは明らかに行き過ぎで、今後再調整されることになり、その過程においてドル/円相場にも相当の影響があるだろう。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成