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 12月の雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が堅調に伸びたほか、賃金も引き続き底堅いペースで上昇した。失業率は横ばいだった。全体としては、マーケットが期待したほど「弱く」なく、FRB(米連邦準備制度理事会)が3月に利下げを開始するとの観測に疑問を投げかける内容となった。

 BLS(米労働省労働統計局)が1月5日発表した12月の米雇用統計によると、NFPは前月比で21.6万人増加して、市場予想の+17.5万人を上回った。業種別では政府部門が+5.2万人、レジャー部門が+4.0万人、また暖冬で建設部門が+1.7万人の雇用増となった。

 12月のNFPは、事前予想より4.1万人も多い結果だったが、一方で10、11月は合計で7.1万人下方修正されている。単月としては強いが、トレンドとしてみると雇用市場にそれほど勢いがあるわけではない。直近3カ月の平均増加数は+16.5万人で、FRBが「ちょうどよい」と考える月10万人から20万人程度の範囲に収まっている。

 一方、家計調査に基づく雇用者数は、2020年4月以来の大きさとなる68.3万人の減少となった。失業期間は長期化し、経済的理由でパートタイムの仕事に就く人が増え、労働時間は減少したと報告された。

 失業率は3.7%で前月から横ばいだった。平均賃金は前月比で+0.4%と市場予想の+0.3%を上回った。前年比では+4.1%と前月の+4.0%から加速した。賃金の伸びはコロナ禍の平均を大きく上回り、FRBのインフレ目標2%と整合的と見る範囲を超えている。

 12月の労働参加率は前月の62.8%から0.3ポイント低下して、昨年2月以来の低水準となる62.5%まで低下した。比較的若い世代と年配者で特に下げ、25歳から54歳の労働参加率は0.1ポイント低下となった。

 労働力参加率とは、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(生産年齢人口のうち「働く意思を表明している人」)の割合である。労働力参加率の上昇は労働力の増加を意味し、賃金上昇圧力やインフレを緩和する方向に働く。反対に、労働力参加率の低下は、労働市場の逼迫化によるインフレ上昇の危険性が高まることを意味する。

 

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成