12月の米雇用は好調
米労働省が5日に発表した12月の雇用統計は、米雇用が依然として強いことを示すものでした。非農業部門の雇用者数は、前月比21.6万人増えました。「米景気好調」と判断される水準(20万人の増加)を超えました。
完全失業率は前月比横ばいの3.7%でした。コロナ禍前の好調時(2020年2月の3.5%)とほぼ同水準です。実質完全雇用の強い雇用が続いていることが確認されました。これで、FRBが早期に利下げに転じる期待が低下しました。
米雇用統計、非農業部門雇用者数(前月比):2021年1月~2023年12月
米雇用統計、完全失業率:2014年1月~2023年12月
米雇用は、2023年11月3日に発表された10月の統計が弱かったため、そこで米景気悪化の不安が高まり、FRBによる早期利下げ期待が高まりました。ところが、その後発表された2023年11月・12月の雇用統計が強かったため、米景気がしぶとく堅調との見方が強まり、早期利下げ期待が低下しました。
1カ月や2カ月のデータで、金融市場の景況感がころころ変わるのは、本来おかしいのですが、米景気がソフトランディングするかハードランディングするか、金融市場の見方が割れて神経質になっている中なので、単月のデータでも、センチメントが変わりやすくなっています。