※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
米利下げ期待遠のく、日銀マイナス金利解除の思惑も遠のく。日本株どうなる?

米景気意外としっかり、長期金利が上昇、ナスダック・日経平均下落

 2024年1月の第1週(営業日1月4~5日)の日経平均株価(225種)は、2営業日で86円下がって3万3,377円となりました。

 新年はじめての取引となる大発会(1月4日)の日経平均は、一時2023年末比770円安の3万2,693円まで下がりました。米長期金利上昇を受けて米ナスダック総合指数の下げが続いてきたことが嫌気されました。

 ただし、下がったところでは押し目買いが増えました。米金利上昇を受けて、円安が進んだことも好感されて、週末にかけて日経平均は持ち直しました。

米ナスダック総合指数と日経平均の動き:2019年末~2024年1月5日

出所:2019年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 ナスダックは2021年末より2年以上にわたり、米景気ハードランディング(景気の急激な失速)への不安と、ソフトランディング(軟着陸)期待のはざまで乱高下してきました。米長期(10年)金利が上がるとハードランディングへの不安が高まり、長期金利が下がるとソフトランディング期待が高まる展開が続いています。

 昨年12月は、FRB(米連邦準備制度理事会)が米景気減速を受けて、ややハト派に転じたことで早期利下げ期待が高まり、長期金利が低下しました。このことから、ソフトランディング期待が高まり、ナスダックが上昇しました。

 1月は、5日に発表された12月の雇用統計が強かったことを含め、米景気が意外にしっかりしているとの見方が広がり、米長期金利が反発しました。これを受けて、ハードランディング不安が再燃してナスダックが下落しました。

米長期(10年)金利推移:2022年6月1日~2023年1月5日

出所:QUICKより作成