今日の為替ウォーキング

今日の一言

自分らしくありのままで生きなさい、「ほかのだれか」はすでに全部取られているのだから

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 FRB(米連邦準備制度理事会)は、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)において、政策金利であるフェデラルファンド・レートの誘導目標を5.25-5.50%に据え置いた。利上げ見送りは市場予想に一致したがその声明文は、予想以上に「利下げ」に前向きな内容だった。ドットチャートで示されたFOMCメンバーの政策金利の見通しは、2024年の利下げ幅が0.75%になることを示していた。9月時点では0.25%だった。「再利上げ」の可能性を議論していた9月の時点からわずか3ヵ月でFOMCの政策スタンスは大きく変化することになった。

 パウエルFRB議長が「2%のインフレ目標に向けて、さらなる前進が必要である」との認識を示したことも重要だ。これまでの「インフレは高すぎる」といの認識から、インフレの鈍化と景気の減速のバランスをとるために、利下げの時機について前広に議論し始めたということだ。

 日銀は12月の金融政策決定会合において、マイナス金利やYCC(イールドカーブ・コントロール、長期金利の誘導)政策などの大規模な金融緩和政策の現状維持を決定した。先行きのフォワードガイダンス(政策指針)も変更しなかった。日銀の植田総裁は、2%の物価目標に向けて確度が高まっているとしつつも、政策の出口については明言を避け、「もう少しデータやさまざまな情報を見たい」との考えを示した。

 3月になれば、日銀が求める賃金データである、春闘の結果が大企業を中心に出てくる。中小企業の賃金動向はさらに先の6月まで待つ必要があるが、植田総裁は、全てのデータが出揃うより前に判断できると示唆している。つまり、来年6月の日銀会合より前の4月25-26日の日銀会合においてマイナス金利解除が決定される可能性があるということだ。そのための準備として、YCC(イールドカーブ・コントロール)政策を正式に廃止する必要がある。それが1月22-23日に行われる日銀会合になるとマーケットは予想している。

 ECB(欧州中央銀行)は2023年最後となる12月14日の理事会で、政策金利を据え置くことを決定した。利上げは2会合連続で見送った。ラガルドECB総裁は、「賃金コストの大幅な伸びを背景とした物価圧力は依然として強い」として「金利は必要な限り、十分に引締め的な水準に設定される」と強調した。

 ラガルドECB総裁は、12月のFOMCで来年から利下げ政策へと舵を切ったパウエルFRB議長のハト派的な姿勢とは完全に対照的だった。もっとも、ラガルドECB総裁のタカ派的発言にもかかわらず、マーケットはECBも来年4月から利下げを始め、政策金利は来年中に計1.50%引き下げられると予想している。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成