1月金融政策決定会合で政策金利を0~0.1%程度に

 では、1月のマイナス金利政策の解除、具体的に何をどうするのでしょうか。現在のマイナス金利政策は、金融機関が日銀に預けている当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を課すというものです。それ以外の当座預金、例えば200兆円を超えるベースの部分(基礎残高)には、プラス0.1%の付利が設定されています。

 仮に、政策金利の対象を異次元緩和が始まる前と同じ無担保コールレート(オーバーナイト物)に戻すとしても、それと当座預金の付利を別々に設定することはできません(理由は割愛)。

 したがって、付利を0.1%に統一した上で、政策金利を「0~0.1%程度で推移するよう促す」とするのが、もっとも自然な形だと思われます(10年金利の上限の「めど」も残すとみています)。

 ちなみに、この政策金利の方針は、2013年1月の共同声明以降、量的・質的金融緩和が始まるまでのものと同じであり、市場にショックを与えない穏当な金利水準であると同時に、先週紹介した「債券市場サーベイ(2023年11月調査)」の特別調査から推測すると、債券市場の機能度は大きく改善することが見込まれます(図表2)。

<図表2 債券市場サーベイ特別調査(機能度判断DI)>

出所:日本銀行、楽天証券経済研究所作成

12月の金融政策決定会合で何らかの発表も

 しかし、ここで大きな疑問が一つ。それは、1月に動くのなら、なぜ12月の金融政策決定会合も終わっていない今の段階から織り込みを開始させたのか、という点です。出口を丁寧に説明した氷見野良三副総裁の講演(12月6日)もそうですが、こんなに早くから情報発信を始めれば、1月ではなく、12月の金融政策決定会合で動くとの思惑が出てしまいます。

 過度に円安が進んでいるため、少しくらい円高に振れても構わないとみているとしても、市場が正常化をはやして過剰に反応することは日銀も避けたいはず。もし、長期金利(10年)が再び1%に張り付くような状況になれば、マイナス金利政策を解除した瞬間に跳ね上がる懸念も強まります。

 そうならないための最大のポイントは、マイナス金利政策を解除した後、2回目、3回目の利上げがあるとの思惑を出させないことです。当然、欧米景気の先行きが不透明な中で、追加利上げを繰り返すということはあり得ませんが、市場に安心感を与えるもっとも有効な手だては、追加利上げはないと宣言するか、正常化の道筋や指針を示すことでしょう。

 こんなに早くから1月のマイナス金利解除の織り込みを開始させたということは、もしかすると、12月の金融政策決定会合で何らかの発表があるかもしれません。