今日の為替ウォーキング

今日の一言

金を得る手段が金の本質を変えるとは思わない – ゴルゴ13

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 FRBは、1970年代に金融引き締めを最後まで続けなかったためにインフレ再発を招いたというトラウマを持っている。だから成長率が著しく鈍化しない限り、金融緩和に踏み切れないでいるのだ。

 経済データから明らかなように、米国経済は予想よりはるかに好調だ。この背景には、米個人消費の予想以上の強さがある。雇用市場が堅調で失業の不安はほとんどないとすれば、将来のためにコツコツ貯金するより、ドンドン買い物を楽しもうという気持ちになるのは当然だ。

 しかし、それはあくまでも表面で、実際は支出が前倒しされているだけのことだ。2024年には、これまでの反動で急速な消費の落ち込みが発生するリスクが高まっている。来年の第1四半期には、雇用市場も悪化して就業者数がマイナスになる可能性が高いといわれる。積極的な消費行動は今年が最後かもしれない。

 米国の経済データが強ければ強いほど、皮肉なことにマーケットはハードランディングの確率を高めている。FRBが景気過熱抑制のためにさらに強い手段に訴えることで、米経済の墜落事故の可能性が高まると予想するからだ。金利市場が、2024年末のFF金利(政策金利)が2.5%まで低下するとの予想は、リセッションを織り込んでいるからだろう。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成