材料の時間軸と投資手法の関係
先述の通り、「期間(手法)」については、注目する材料がどの時間軸を示すものであるかで、おのずと決まってきます。
世界規模の不安感の強弱(有事ムード)、株価の上下(代替資産)、ドルの上下(代替通貨)といった、短中期的な時間軸の材料に注目した場合に選択する取引手法は「スポット(随時)購入」がなじむと考えられます。
一方、中国・インドの宝飾需要の増減、中央銀行の金(ゴールド)保有高の増減、鉱山会社のヘッジ(保険つなぎ)増減、西側・非西側の対立(見えないリスク)といった、中長期・超長期的な時間軸の材料に注目した場合に選択する取引手法は「積立購入」がなじむと考えられます。
図:金(ゴールド)にかかる七つのテーマ
金(ゴールド)相場は、上図のとおり複数のテーマの影響を受けています。近年の環境は、一つのテーマだけで値動きを説明できた1970年代と大きく異なり、複雑化しています。ですが、こうした複数のテーマを「時間軸」で分類することで、相場を分析しやすくなります。
このような考え方に基づくことによって、中央銀行関連のニュースで短期前提のスポット購入(売却)をしたり、有事関連のニュースで長期前提の積立投資をしたりするなどの、意図と行動が食い違った状態を避けることができます。
「成長投資枠」を利用した金(ゴールド)投資に欠かせない考え方です。