「FANG+指数」に連動を目指すファンドがある

 上述したNYSE FANG+指数を構成する10銘柄に比較的簡便に集中分散投資できる方法があります。同指数に連動を目指すインデックスファンドの存在です。

 例えば「iFreeNext FANG+インデックス」は、大和アセットマネジメントが2018年1月31日に設定し運用してきた追加型公募投信でその運用総額は約409億円となっています。昨年(2022年)はFRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締め(金利上昇)を受けたテック株下落を受け同ファンドの基準価額は低調を余儀なくされましたが、過去5年の年率平均リターンは+32.8%となっています。

 米国株式10銘柄にのみ分散投資する運用手法で比較的リスク(リターンのブレ)が高いインデックスファンドでありながら、楽天証券内の「積立設定ランキング」では全ファンド中10位と高位にあります(11月22日時点)。「ドルコスト平均法」を意識した個人投資家が同ファンドに積立投資してきた状況を示しています。

 参考までに、図表3は同ファンドの基準価額の年初来パフォーマンスを日経平均株価と比較したものです。同ファンドは原則として為替ヘッジを行わないため、FANG+指数の好パフォーマンスに為替差益(ドル高・円安傾向)が加わり基準価額は年初来で2倍超に上昇してきました。

 ただ、為替相場でドル安・円高が進む場合は基準価額のマイナス要因となるリスクに注意を要します。

 なお、同ファンドは来年1月にスタートする新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の「つみたて投資枠」および「成長投資枠」の対象となっています。時間分散や長期投資を意識しながら米国株式市場をリードする大手テック株への集中分散投資を検討される際には注目したいファンドだと考えています。

<図表3>FANG+指数連動型ファンドの基準価額は年初来で倍に

*上記は過去のパフォーマンスであり将来の投資成果を保証するものではありません。 出所: Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2023年初~2023年11月22日)

▼著者おすすめのバックナンバー

2023年11月17日:ナスダックの復調に注目!ETF投資で日経平均を上回るリターンを目指す(香川睦)
2023年11月10日:米国株は急反発!今年も相場は「年末高」に向かう?(香川睦)
2023年11月2日:押し目狙いの米国ETFは?波乱相場と向き合う投資戦略(香川睦)