「FANG+指数」が好リターンを生み出している要因は?
前述したように、米国市場で「NYSE FANG+指数」の好パフォーマンスが目立っています。FANG(ファング)とはもともとフェイスブック(現在のメタ・プラットフォームズ)、アマゾン(アマゾン・ドット・コム)、ネットフリックス、グーグル(親会社のアルファベット)の4銘柄の頭文字を意味しています。
これら4銘柄に加え、時価総額で世界1位のアップル、第2位のマイクロソフト、AI向け半導体最大手エヌビディア、EV(電気自動車)最大手テスラなど6銘柄を加えた合計10銘柄の株式に等配分投資(10%ずつ投資)した値動きを示す株価指数がFANG+指数です。
図表2は、こうした10銘柄を年初来騰落率の降順に示した一覧です。米国で機関投資家がベンチマーク(運用目標)とすることが多いS&P500は大手企業500社で構成されていますが、FANG+を構成する10社の時価総額だけでS&P500の時価総額(約18.9兆ドル)の3割強となります。
世界のデジタル業界(情報技術や情報サービス)の成長をリードする構成銘柄の存在感と注目度は高いと言えるでしょう。FANG+指数の構成銘柄は、ICE(米インターコンチネンタル取引所)が四半期ごとに見直し、最近では9月に構成銘柄からAMDが除外されてブロードコム(AVGO)が新たに加えられました。
なお、構成銘柄の組み入れ別ウエート(比率)は四半期ごとに10%にリバランス(再配分)されます。分かりやすく例えれば「集中分散投資を体現した株価指数」と言えるでしょう。
GAFAM(アップル、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ)にエヌビディアとテスラを加えた大手テック銘柄(The Magnificent Seven)を構成銘柄にしていることで、FANG+指数の年初来騰落率は+86.6%とS&P500はもちろんナスダック100をも大きく上回っています(22日時点)。