結論:これだけ覚えておいてください。

 今日のレポート内容は、中・上級者向けです。日経平均先物についてあまり詳しくない方は、以下の結論だけお読みください。

<結論>
◆9月27日までの日経平均先物(12月限)は、日経平均より208円低い水準で推移する

 先物が208円低くても、それは先安感を表すものではなく、理論値通りに値がついているだけである。例えば、「前日のシカゴ(CME)日経平均先物の終値が3万3,000円」だったとすると、新しい相場変動要因がその後何も出なければ、「今日の日経平均は3万3,208円くらいでスタート」します。

◆9月28日以降、日経平均先物(12月限)は、日経平均とほぼ同値で推移するようになる

 9月28日になると、「前日のシカゴ(CME)日経平均先物の終値が3万3,000円」だったとすると、新しい相場変動要因がその後何も出なければ、「今日の日経平均は3万3,000円くらいでスタート」すると考えることができます。

 今日は、先物の値動きが上記のようになる理由を、解説します。「なぜ、そうなる?」まで、きちんと勉強したい方は、以下をお読みください。

日経平均先物の夜間取引は、翌日の日経平均を先取りすることもある

 朝、東京証券取引所が開く前に、「シカゴ(CME)日経平均先物が(前日の日経平均終値と比べて)大幅安」というニュースを聞くと、ヒヤリとします。その日の日経平均が大幅に下がって始まることが多いからです。

 逆に、「シカゴ(CME)日経平均先物が大幅高」と聞くと、期待が高まります。その日の日経平均が大幅に上昇して始まることが多いからです。

 通常、日経平均先物(期近)の理論値は、日経平均とほぼ同値です。したがって、「CME日経平均先物が、(前日の日経平均終値より)208円安い」と聞くと、「今日の日経平均は208円くらい下がって始まる可能性がある」と解釈する人が増えます。普通は、その解釈でOKです。

 例外として、9月11日(9月のSQ後)から9月27日(9月の権利つき最終売買日)の間に日経平均先物(12月限)を見る場合だけ、見方が異なります。

「約208円下でCME日経平均先物(12月限)の値がついていれば、当日の日経平均は上がりも下がりもしないで始まる可能性が高い」と解釈されます。

9月15日の日経平均先物(12月限)は、日経平均より約208円低い水準で推移

 百聞は一見にしかず。それでは、実際に2023年9月15日の日経平均先物(12月限)の値動きを、日経平均と一緒にご覧ください。

<日経平均と日経平均先物(12月限)の日中足:2023年9月15日8:45~15:15>

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 ご覧いただくとわかる通り、株式現物と日経平均先物の売買が両方ともできる時間帯(9時~11時30分、12時30分~15時)、日経平均先物(12月限)は日経平均よりも常に約208円低い値がついています。

 これを見て、「日経平均先物(12月限)に日経平均の先安感が表れている」という誤った解釈をしないようにしてください。先物(12月限)は、理論値通りに値がついているだけです。

 9月の配当金の権利つき最終売買日である9月27日まで、この状況が続きます。ただし、配当金の権利落ち日である9月28日以降は、日経平均先物(12月限)は、日経平均とほぼ同値で推移するようになります。