「複利効果」について、読者からの質問

「投資の複利効果ってどういう意味でしょう?」という質問をいただきました。

1.銀行預金の単利と複利

 最初に、わかりやすい銀行預金の例でお話しします。利息の付き方に、単利と複利があります。利息に利息がつくのが「複利」です。利息には利息がつかず、元本のみに利息がつくのが「単利」です。

 年利(1年間につく利息)10%の預金に100円預けたとします。税金はかからないものとして、計算します。

【単利の場合】

1年後に10円の利息がつきます。100円×10%=10円
2年後にも10円の利息がつきます。
2年後には元利合計120円になります。

【複利の場合】

1年後に10円の利息がついて、預金額は110円になります。
2年後には、110円に対して11円の利息がつきます。110円×10%=11円
したがって、2年後には元利合計で121円になります。

 まとめると、同じ年利10%でも、単利ならば2年後に120円、複利ならば2年後に121円です。1円の差は、利息が生んだ利息です。

 途中で現金を引き出すことなく、利息を再投資し続ければ、長期の期待リターンは高くなります。それが「複利効果」です。

2.投資の複利効果

 ご質問は、預金ではなく、投資の複利効果でした。投資の場合、毎年、必ずお金が増えていくとは限りません。20%増える年もあれば、10%減ってしまう年もあります。

 それでも、長い年月をかけてお金が増えていくとすると、途中で売ったり出金したりせずに投資し続けた方が、複利効果で長期の期待リターンは高くなります。