外国人の買いが日経平均の上昇をけん引

 次に、以下のチャートを見てください。さきほどと同じ日経平均50年のチャートに、外国人投資家が日本株を猛烈に買ってきた三つの局面を書き込みました。バブル崩壊後、日本株を上昇させてきたのは、いつも外国人投資家の買いです。外国人が日本の構造変化に注目して、日本株を猛烈に買ってきた局面が、バブル崩壊後、3回ありました。

日経平均推移:1973年1月~2023年8月(18日)

出所:QUICK、東京証券取引所データより楽天証券経済研究所が作成

 最初は、2005年。小泉純一郎元首相による郵政民営化を争点に、解散総選挙を行って大勝した年です。不良債権処理を終えて、合併・リストラ・構造改革ブームの日本株を外国人が大量に買ってきました。

 次は、2013年アベノミクスが始まったときです。アベノミクスによる構造改革への期待に加え、異次元金融緩和が始まって、円高に苦しんでいた日本が、急激な円安で競争力を回復したことが評価されました。

 そして、3回目が今年です。日本にインフレが復活して、名目GDP(国内総生産)の伸びが高くなってきたことが外国人投資家に評価されています。万年デフレに苦しんでいた日本に、インフレが復活したことが追い風です。

日本の名目・実質GDPの四半期別成長率推移(季調済・前期比年率):2022年1-3月期~2023年4-6月期(速報値)

出所:内閣府「GDP統計」より楽天証券経済研究所が作成