ドル/円は146円台に上昇!市場はマイナス金利死守のための介入を警戒

 ドル/円が146円台に乗せてきた。財務省による昨年9月の円買い為替介入の水準を超えてきている。

ドル/円(日足)

メガトレンドフォローの売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

ドル/円(週足)

メガトレンドフォローの売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

ドル/円(月足)

メガトレンドフォローの売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

 日本銀行がゼロ金利解除(利上げ)に動かない限り、基本的に円安基調は変わらないが、ドル/円は評価益が出ていても介入によって飛んでしまうことが多い。困った通貨である。

米国と日本の長期金利の推移(週足)

出所:トレーディングビュー

 おそらく150円までのどこかで日銀は介入に動いてくるだろう。日本のマイナス金利と大規模金融緩和は、米国株と米国債の買い支え(補完装置)として利用されている。そういう政治的理由からも、日銀は金利を上げられない。

 日本が金融緩和をやめたら、米国株が暴落するし米金利も上がり債務返済が苦しくなる。米国の中核的な属国である日本は、(少なくとも来年の米大統領選挙までは)基本的にゼロ金利の解除をしにくいのである。

 異常低金利と大規模緩和によって日本株があまり上がってしまうのもまずい。バブルが走ると日銀へのマイナス金利解除や利上げの催促が出てくるからだ。金融当局は日本株を冷やすためにも円買い介入を行うだろう。 

 そうした事情がありながらも、投機筋はその習性によって円買い介入のレベルを試しにくるだろう。介入による円相場のボラティリティの増大に注意されたい。

 基本的にジャクソンホールまでは夏休み相場で、大きく方向性が出てくるような相場展開ではない。近い将来に到来する「本格的な相場」に備えて現金を温存し、足元の相場では消耗しないことが大切である。

 日本が大幅な利上げをしなければならないような事態に追い込まれたとき、世界中のエブリシングバブルは崩壊する。