今日の為替ウォーキング
今日の一言
愛国心とは野蛮な美徳である-オスカー・ワイルド
I Will Survive
FRBの政策決定にも重大な影響を持つ米国の雇用統計は、数ある経済指標のなかでも最重要ランクに位置している。しかし、同時に市場予想が外れ方の豪快さでも群を抜く。
米国の重要な経済指標の多くはアンケート調査に基づいている。一般に、家計調査の回答率が60%を下回ると、そのデータの信頼性は低くなるといわれるが、CPI(消費者物価指数)の回答率は55%で米雇用統計のNFP(非農業部門雇用者数)は40%程度しかない。つまり、消費者物価指数や雇用統計が経済の実情を正しく伝えていない可能性が高い。
パウエルFRB議長は、今後の金融政策の見通しを問われて「経済データ次第」だと返しているが、FRBに限らず、先進国の主要中央銀行が、これまでになく経済データに依存する時代に、そのデータの信頼性が著しく低下していることを認識しないまま、政策を決定することは経済が直感や先入観によって誤った方向に誘導される可能性が高いということで非常に危険なことである。