次に、1年間のマネープランを作る

 バランスシートができたら、次に1年間の「マネープラン」を作りましょう。難しく考えることはありません。今後1年間の金融資産の増減を予測しましょう。

 1年間でいくらお金を増やすことができるでしょう? 資産形成の基本原理は極めてシンプルです。

【今後1年間の資産の増減】
=【年間の収入―支出】+【投資の期待リターン―運用コスト】

 投資のリターンはプラスにもマイナスにもなり得ます。予測するのは難しいので、とりあえずゼロにしておきましょう。となると、予測するのは1年間の収入と支出だけとなります。

 これから資産形成を始めようとするならば、まず、年間の収支をプラスにする必要があります。そうしないと、投資の原資が得られません。収支をプラスにできるならば、そこから年間どれだけ投資していくか考えましょう。

 投資を考える際、何に投資するかを最初に考える人がいますが、それは次の段階です。最初はまず、家計のバランスシートを作り、次に今後1年間のマネープランを作ることです。それができて初めて、何に投資していくか考えることができます。

投資はシンプルに、淡々と積み立て投資

 ご自身が保有する金融資産(および負債)の残高を定期的に把握する習慣を付けるのは大変ですが、それをマスターすれば、その先はシンプルです。日本株や米国株のインデックスファンドや高配当利回り株などに、淡々と積み立て投資していけば良いと思います。詳しくは別の機会に解説します。

 資産形成のために投資はしたいが、投資で心を惑わされたくないという方は、投資はシンプルにした方が良いです。NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)など非課税投資口座で、淡々と積み立て投資をしていくのが良いと思います。

 ただし、「投資を通じて経済を勉強するのが楽しい」「派手にリスクを取って勝ったり負けたりするのがうれしい」という方には、別途、いろいろアドバイスがあります。個別の推奨レポートをいろいろ書いていますので、そちらを参照してください。