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買った株が下がることは避けられない現実
初心者の方からこんな質問をよく受けます。
「買った後下がらない株の見つけ方を教えてください」
「買った株が下がって、正直落ち込んでいます」
確かに株式投資を始めたばかりの方は、なぜ買った株がいとも簡単に値下がりするのか?と思ってしまうでしょうが、そもそも株式投資で買った株が下がることは避けられない現実です。
買った後下がらない株を見つけることができれば素晴らしいですが、正直言って難しいです。
ですから、買った後株価が下がったらどうするのか?をあらかじめしっかり決めておくことが大事です。
ところがここで、買った株が下がったらどうするか?につき、専門家によって異なる見解が示されるのです。
大別すると、次の二つです。
〇買った株が値下がりしても持ち続けるべき
〇買った株が値下がりしたら早期に売却すべき
このように、二つの見解はまるで正反対となっていて、初心者の方はいったいどちらを信じればよいのか、と悩んでしまいます。
「持ち続けるべき」派の根拠は?
買った株を持ち続けるべき、とする専門家の根拠は、おおむね次のような点です。
〇株というものは長期間で見れば右肩上がりに上昇するもの
〇個人投資家はプロと違って短期間に成果を出す必要はないのだから、株価が下がってもじっくり持ち続けていればよい
〇下手に売ってしまうと、その後株価が上昇したときに悔しい思いをする
〇買う時に「将来上がる見込みの株」を選んでいるのだから、その後の株価の短期間の変動に一喜一憂すべきではなく、長期間持ち続けるべき
中には、「もし今の時点(株価が下がっている時点)で新たにその株を買いたいと思うならば、売る必要はなく持ち続ければよい」というように、条件付きで持ち続けるべき、という主張もあります。筆者はこれも「持ち続けるべき」派に含めています。
なぜなら、大きな損失を被ってしまう可能性があるという点では同一だからです。
筆者は持ち続けるべき派の根拠を信じることができない
持ち続けるべき派の根拠を聞いて、「なるほど」と思う初心者の方も少なくないと思います。しかし筆者は、決してなるほどとは思わず、逆に大損するリスクが高いのではないかと感じてしまうのです。
〇株というものは長期間で見れば右肩上がりに上昇するもの
→個別銘柄を見れば分かるが、長期間にわたり大きく下げ続ける銘柄も多々ある
〇個人投資家はプロと違って短期間に成果を出す必要はないのだから、株価が下がってもじっくり持ち続けていればよい
→株価が下がってじっくり持ち続けた結果、必ずしも株価が買値まで戻るとは限らない。逆に大きく値下がりしてしまうことも
〇下手に売ってしまうと、その後株価が上昇したときに悔しい思いをする
→売った後株価が上昇したら買い直せばよいだけ
〇買う時に「将来上がる見込みの株」を選んでいるのだから、その後の株価の短期間の変動に一喜一憂すべきではなく、長期間持ち続けるべき
→「将来上がる見込みの株」を選んでも、選択ミスは必ず生じる。その結果、長期間持ち続けることで株価がさらに下落して塩漬け株になってしまう
また、「株価が下がっている今の時点で新たにその株を買いたいと思うならば、売る必要はなく持ち続ければよい」という考え方(この考え方を持つ専門家は非常に多いです)については、次のような疑問を持たざるを得ません。
→株を買いたいかどうかはあくまでも自分自身の主観である。その主観が誤りだった場合、株を持ち続けることにより株価下落が進み、塩漬け株の生成を助長することになる
個人投資家が絶対に避けるべきこととは?
筆者は、個人投資家が絶対に避けるべきことは「塩漬け株を作ること」だと思っています。
これまで数多くの個人投資家の悩みの相談に応じてきました。その中で圧倒的トップの相談内容が、「買った株を持ち続けたら大きく下がって塩漬け株になってしまった」というものなのです。
個人投資家の失敗の大部分は、この「塩漬け株を作ってしまう」ことにあります。ですから、そもそも塩漬け株を作らないようにすればよいわけです。
塩漬け株が生じる理由は、株価が下がってもその株を持ち続けるからです。もちろん、持ち続けた結果株価が上昇に転じ、大きな利益を得られることもあるでしょう。
しかしこれほど多くの個人投資家が塩漬け株に頭を抱えているということは、株価が下がった株を持ち続けることは大きな失敗、大きな損失につながる行為だと言ってよいと思います。
次回は、今回の内容を踏まえ、買った株が値下がりしたとき筆者自身がどのように行動しているのか、そしてその理由はなぜなのかについてお伝えしていきたいと思います。
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