今日の為替ウォーキング
今日の一言
自分のトレードルールを破れば、どんな結果であれ、負けである
Wuthering Heights
ダイエットを試した人はよくご存じだと思うが、本当に苦しいのは最初の3キロを減らすことではなく、目標体重までの最後の1キロを落とすことだ。インフレ率も10.0%から5.0%に下げるのは中央銀行にとって比較的簡単なのだ。本当に大変なのは、そこから2.0%まで下げることだ。重要なのは今のインフレ率ではなく、半年後の状況がどうなっているかだ。FRB(米連邦準備制度理事会)の目標である2.00%の手前の3.00%から4.00%で下げ止まってリバウンドしているリスクもある。
5月に発表された米国の4月CPIは、前年同月比で4.9%上昇し、市場予想(5.0%)を下回った。インフレ圧力がやや緩和したことを示し、FRBが利上げを休止する可能性が高まったとの見方が広がった。米CPI高止まりの原因の一つは、中古車価格の上昇である。しかし世界最大の中古車再販業者であるマンハイム社のデータによると中古車価格はすでに下落に転じており、数ヵ月後のデータにも反映されるだろう。
マンハイム社は、米国内の約80ヵ所の拠点から年間約600万台の自動車を販売する米国最大の自動車オークション会社で、ライブ・オークションとデジタル・オークションの両方を運営しており、入札者はリアルタイムで参加することができる。そのマンハイム社が出している中古車価格指数(MMR、マンハイム・マーケットレポート)の動向は数ヵ月後のCPIに影響を与えるため、マーケットの注目度が高い。
もうひとつの注目点が、CPI(消費者物価指数)を構成するバスケットの1/4を占めているOER(帰属家賃)である。持ち家の帰属家賃とは、自己が所有する住宅(持ち家住宅)に居住した場合、家賃の支払は発生しないものの、通常の借家や借間と同様のサービスが生産され、消費されるものと仮定して、それを一般の市場価格で評価したものである。CPIと実際の生活コストとのかい離が大きくなっているほか、利上げがCPIを加速させてしまうという悪循環も指摘されている。