トレード・アイデア:寄付の値動きで機関投資家の買いが想定される場合

 寄付で、出来高(売買高)が増加して大きく上昇したとき、機関投資家の買いが入っている可能性もあります。もしそうであるならば、寄付(よりつき)で買う予定の株数を全て買うわけではなく、1日かけて少しずつ買っていくことになります。

 したがって、寄付で大きく株価が上がった後、少し株価が弱含んだタイミングで買うと、デイトレードが成功することがあります。以下に、そのイメージをお見せします。

<A社株の日中足と、デイトレードのアイデア>

(出所:実在の株の日中足より、説明のために筆者作成)

 機関投資家の買いを担当するトレーダーは、VWAPに大きく負けないようにトレードするため、だいたい以下のように買うことが多いといえます。

【1】寄付は売買高が膨らむので、少し多めに買うことが多いといえます。
【2】寄付の上昇率が高いときは、そのまま買い続けないで、一度買いの手を緩めて、利益確定売りが出るのを待ちます。少し弱含めば、そこから継続的に買いを入れていくことになります。
【3】日中の売買高の推移に合わせて、買いを実行していきます。
【4】大引けも売買高が大きくなるので、大引けにも一定の買いを残すことが多いといえます。

 上記のような特性を考えると、個人投資家のデイトレード・アイデアとして、寄付で売買高の増加をともなう大きな上昇があった銘柄の、少し弱含んだところが、買い場になることがあります。

 以上は、実際に機関投資家の買いが入っていた場合の成功例です。現実には、そのようにうまくいく場合ばかりではありません。機関投資家の買いが入っていると思ったが入っていなかったということもあります。買ったとたんに急落するようならば、すばやく損切りすることも必要です。投資は全て自己責任で行ってください。