実は2種類ある!東京金とNY金の違いを知ろう!


 金の価格変動に着目する際、価格の単位が“円”の金と、“ドル”の金の両方の値動きをチェックする必要があります。
 日本人の多くが注目しているのは、円の金=TOCOM(東京商品取引所)の先物価格(期先限月)(通称:東京金)、世界ではドルの金=CME(シカゴ商品取引所)の先物価格(期近限月)(通称:NY金)です。それぞれの市場の単位は、円の金は1グラムあたり、ドルの金は1トロイオンス(およそ31グラム)あたりです。3月13日時点で円の金は1グラムあたり約4,600円、ドルの金は1トロイオンスあたり1,300ドルです。

 今回取り上げた、2003年から2008年までの急騰ですが、どちらの市場も同じような流れで上昇しています。しかし、この二つの市場の動きを細かく見てみると微妙に値動きの変動率が異なります。NY金は320ドル(2003年)から1,030ドル(2007年)に上昇し、3.2倍になったのに比べて、東京金は1,220円(2003年)から3,360円(2007年)に上昇し、2.7倍になっています。

 同じ影響を受けて急騰したはずの二つの金市場の上昇率に差異が生じるのは、この間に「ドル/円相場」があるからです。2003年から2007年にかけてドル/円が円高方向に推移したため、NY金に比べて東京金は上昇率が控えめでした。ドル/円が、ドル安/円高方向に推移した場合、ドルの金が割安に円の金が割高に映り、ドルの金は買われやすく、円の金が売られやすくなります。逆(ドル高/円安)もしかりです。

 日本の投資家の多くはドルの金を指標として、円の金を購入します。多くの金を消費する中国・インド、両国に資金を投じている先進国の情勢などを反映するドルの金の値動きを指標とすること、加えて、ド/ル円相場を考慮することが、金へ投資をするべきタイミングを計る重要なポイントだと筆者は考えています。

 

>>現在の金の価格変動をチェック!<<
※楽天証券のページに遷移します