選挙までは日銀の利上げなし!?

 日本株の上昇について、前田昌孝(マーケットエッセンシャル主筆)は、「株高の理由がいろいろ語られているが、経営者がダメだったり、高給だが働きの悪い中高年社員を多く抱えたりしている企業を外資に買収してもらうという官僚主導の政策が背景にありそうだ。経産省も外資が動きやすいようにいろいろお膳立てをしている感じだ」と、ツイートした。

日経平均CFD(日足)

メガトレンドフォローの売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

 5月31日のブルームバーグの報道『日銀緩和修正は早くて10月、金融システム配慮や選挙が制約-桜井氏』によると、「日銀の金融政策運営について、現在の大規模な金融緩和策の修正は早くても10月以降になる可能性が大きい。金利上昇が金融システムに及ぼす影響や衆院解散・総選挙への思惑などが制約要因になる」との観測が報道されている。

世界の中央銀行の最新情報

出所:クリエーティブプランニング

 選挙まではバラマキと低金利と株高を続けるということかもしれないが、選挙の後は利上げと一段の増税であろう。

 カネをばらまくより、減税をやって消費を刺激し、企業の利益も増え税収も増えていく好循環に持っていくべきなのである。しかしながら、現在、日本は周回遅れのMMTの方向に向かっている。

 経済学者のヨーゼフ・シュンペーターは政府から十分な支援を得てしまえば資本主義は停滞すると信じていた。超低金利と膨れ上がる中銀資産には大変な副作用がある。政府に際限なくおカネを使わせてしまうことだ。

米国の10年国債金利と日本の10年国債金利(週足)

米国と日本の国債金利の乖離はワニの口になっている
出所:トレーディングビュー

ドル/円(日足)

メガトレンドフォローの売買シグナル(赤:買いトレンド・黄:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

 債券王のジェフリー・ガンドラックは、「MMTについてどう思うか?」と聞かれ、「すでにどんな考えも許容されるところにこの世の中は来ている。日本は負債をものすごく増やした。しかしその結末としては30年前の株式市場の最高時から30年たってもまだ半分しか回復していないということ以外何もない。

 ゼロ金利、国の負債の増加、経済的に成功していないという事実の間に何か相関があるのだろう。フェアで機会がある良い社会をつくろうというのがMMTであっても、実際には結果は逆となり、本当の問題を見過ごしていることにすぎない」と、答えている。

日本の成長率のダントツの低さ

出所:世界銀行