今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは140.95円
↓下値メドは139.95円
英経済:2023年の英国は、経済不振で「大失業時代」に
FRB:カシュカリ連銀総裁「インフレ放置はリセッションよりもたちが悪い」
米利下げ:利下げは、リセッション未然防止という意味で「ドル高材料」
BOE:「中央銀行が利上げを決定する際には、インフレ目標だけに集中するべきである」
カナダ:カナダ中銀「年内の利下げ、想定していない」
市況
5月29日(月曜)、週明けのドル/円は「円高」。
24時間のレンジは140.11円から140.92円。値幅は0.80円。
ホワイトハウスと下院共和党の交渉担当者は、連邦政府の法定債務上限を実質的に引き上げることで原則合意した。これにより、米国のデフォルト(債務不履行)のリスクが低下し、東京市場はリスク選好の円売りでスタートした。
2023年106営業日目は140.61円からスタート。東京時間昼前に140.92円まで上昇して今年の高値をつけたが、141円台に届く前に勢いが鈍った。その後は徐々に値を下げ、夜遅くにはこの日の安値となる140.11円まで下げた。終値は140.45円(前日比▲0.15円)。
レジスタンス:
140.92円(05/29)
141.61円(22/11/23)
142.23円(22/11/22)
サポート:
140.11円(05/29)
139.50円(05/26)
138.78円(05/25)
この日はロンドン市場とNY市場が両方とも休場。大きなイベントや経済指標はなかったが、ドル/円は昨年11月以来の高値を更新して141円に接近するまで「円安」に動いた。もっとも、この動きは円安というより「ドル高」だ。
なぜドルが買われるのか?債務上限問題でホワイトハウスと共和党が原則合意に至り、この数週間マーケットを覆っていた不安心理が解消されたことでドル買いに弾みがついた。
しかし、一番の理由は米経済の驚くほどの力強さだ。FRB(米連邦準備制度理事会)は、1年間で5.0%も金利を引き上げたにもかかわらず、米国の労働市場は良好で、まだ雇用を増やし続けている。
利上げの副作用として米地銀破綻が起きたが、米国の金融システム全体に対する不安の声はどこからも聞こえない。たとえ景気減速しても、米国経済はソフトランディングできるという自信がある。マーケットは、米リセッション想定のトレードの間違いを認め、手じまいを迫られている。ドルショートの買い戻しがドル高につながった面がある。
FRBが1年間で5%も政策金利を利上げしたのになお拡大を続ける米国経済は、「米国例外主義」と呼ばれる異例の強さだ。1ミリでも利上げしたら日本経済は崩壊するからと恐れて何もできない日銀と比べるとドル高/円安に動くのは至極当然だ。
FRB利上げサイクルはこれからも続く可能性が高い。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で「1回停止したとしても、それは終わりの合図ではない」として、「FRBの目標の2%に戻すには「政策金利を6%超にする必要がある」との強気の考えを示している。金利市場が予想していた「7月から利下げ」の可能性はほぼ完全に消えた。日米金利差の拡大期待もドル高/円安要因になっている。