3.収益性(ROE)は市場平均並みだが安定的

過去のROE水準はTOPIX並みで商社・卸売セクターには及ばないが安定感は高い

 図表3は、TOPIX(東証株価指数)、TOPIX-17食品、同商社・卸売セクターのROE(自己資本利益率)の推移です。表記期間の平均値は、バフェット氏が目を付けた商社・卸売が9.7%と最も高く、食品は7.8%、TOPIXは6.7%です。食品は商社・卸売には劣後しますが、TOPIXを上回っていることに加え、その推移が安定的です。

 また、バフェット氏が5大商社に投資を開始したタイミングはコロナ禍前、つまり、2020年よりも前と言われているので、当時のROE水準はTOPIXや食品とほとんど同じか、その少し前(2016年)ですと落ち込んだタイミングであり、必ずしもROEの高さを前提に投資したかは不明です。

 また、商社・卸売の足元のROEが高い理由は主力の資源エネルギー事業が好調である影響も大きく、今後は減速が予想されていることからも、食品との本質的な差はそれほど大きくはないと考えています。

 今後、食品会社が世界展開を進めてROEを高めていけば、バフェット氏のお眼鏡にかなう日も来るのではないでしょうか? あと、バフェット氏は「株価水準の割安さ」もかなり重視しますので、何らかのアクシデントで株価が安くなれば、候補の一つに上がるかもしれません。

[図表3]  ROEの推移

期間:2008~2024年、年次
※予想はBloombergコンセンサス予想
(出所)Bloombergを基に野村アセットマネジメント作成

<関連銘柄>
NEXT FUNDS 食品(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1617)
NEXT FUNDS 商社・卸売(TOPIX-17)上場投信(証券コード:1629)

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