米国は依然深刻なインフレが続いている。日本のインフレは相対的に軽微

 先週発表になった4月の米CPI(消費者物価指数)から、米インフレが依然深刻な状況にあることが分かりました。総合インフレ率は4.9%まで低下しましたが、エネルギー・食料品の影響を除いたコア・インフレ率が5.5%と高止まっていることが問題です。

米長短金利(10年・2年・FF金利)推移:2021年1月4日~2023年5月5日

出所:米労働省より楽天証券経済研究所作成

 一方、日本のインフレ率も上昇してきていますが、米国ほど深刻ではありません。日本のCPIはまだ4月が出ていませんが、3月までは以下の通り推移しています。

日本のインフレ率:2023年3月

出所:総務省統計局より楽天証券経済研究所作成

日本の総合インフレ率、コアコア・インフレ率推移:2020年1月~2023年3月

出所:総務省統計局より作成

 日本にもやっとインフレの風が吹き始めました。コアコア・インフレが3.8%まで上昇したのは、企業業績に追い風です。値下げばかりで値上げができない国だったのに、値上げが通る国になったことは、企業業績にとって干天の慈雨です。エネルギー価格上昇の輸入インフレがマイナスになる中、コアコア・インフレの高止まりが続けば、企業業績・株価にプラスと考えています。