米国より日本の方が景況良好
米国で景気失速懸念が出ています。コロナ禍からの回復が早かった米国は、2021年にリベンジ消費で景気が過熱したために深刻なインフレが起こり、2022年からは急激な利上げとインフレによって、景気が減速してきています。
一方、コロナ禍からの回復が遅かった日本は、相対的に景況が良好です。新型コロナが5月8日に5類へ移行したことで、やっと消費回復が期待されるようになりました。外国人観光客が増加することによる、インバウンド消費の回復も期待されています。その差が、日米の景況指数の差に表れています。
先日発表になった、4月の米ISM景況指数は3月よりやや持ち直したものの、米国の景況が冷え込んだ状況が続いていることがわかりました。製造業は50割れが続き、好調だった非製造業も、インフレ・金利上昇の影響から景況分かれ目の50近くまで低下しています。
米ISM景況指数:2018年1月~2023年3月
一方、3月の日銀短観(日本銀行の短期経済観測)の大企業DI(業況判断指数)を見ると、日本の方が相対的に景況が良好であることがわかります。
日銀短観、大企業製造業・非製造業DIの推移:2018年3月~2023年3月
世界的な製造業の景況低下を受けて、日本の大企業・製造業DIも低下していますが、まだプラスで、マイナス圏に沈んではいません。大企業・非製造業は+20と非常に好調です。製造業と非製造業を合わせた、大企業DIは+10と景況は「良好」といえます。