今日の為替ウォーキング
今日の一言
トレードは、簡単そうに見えても簡単に真似できるものではない。手品の種あかしをしてもらってもできないのと同じだ
Somebody to Love
ドル高の理由
米国経済は他の先進国とは質的に異なっているという優越的な「アメリカ例外主義」はもはや有効ではない。かといって、米国の成長が急落しているわけでもない。ドル以外の通貨にも惹かれるが、いつも結局ドルには敵わない。
先週は132円割れ寸前だったドル/円が、134円台まで急ピッチで円安に戻った理由は大きく3つある。ひとつは、先週発表されたミシガン大学消費者態度指数が発表した1年先のインフレ期待率が予想以上に強かったこと。それに合わせるように、ウォラーFRB理事が「FRBは5.1-5.4%以上に金利を引き上げる必要がある」との考えを示した。FOMC(米連邦公開市場委員会)の利上げは、5月で終了との見方が有力だったが、金利市場は6月の利上げも織り込み始めている。
ふたつめは、日銀が近い将来大幅な政策変更をする可能性が遠のいたこと。日銀は4月28日に金融政策決定会合を開くが、、金融政策の枠組みについて「4月に市場を驚かすような大胆な政策枠組みの変更の可能性は低くなった」と植田総裁は述べている。
6月16日あるいは7月28日の会合までは、YCC(イールドカーブ・コントロール)やマイナス金利などの現行の緩和政策が継続される公算が大きくなったことで、円ロングのポジションを軽くする動きがでた。
さらに、日経平均株価が2万8,000円を回復するなかで、リスクオンのムードが強まったことも円安を後押しした。
ただ、この状況がこれから先も続くかについては注意が必要だ。ウォラーFRB理事はタカ派的発言でマーケットを驚かせたが、一方でウィリアムズ・NY連銀総裁は、インフレが下落した場合FRBは「利下げする必要」があるとの見解を示している。グールズビー・シカゴ連銀総裁も「FRBは過度に積極的な利上げに注意する必要ある」と発言している。FOMC内部でも意見が分かれているようだ。