米国株の長期分散積立投資をシミュレーションする
米投資会社バークシャー・ハザウェイ社を率いる著名投資家ウォーレン・バフェット氏(92歳)は11日、「不動産に投資して人に貸すことも、債券の購入も預金もできる。だが人生を振り返ると、株式への投資がベストだった」と長期的な株式の魅力を強調しました(日本経済新聞)。
そこで長期視点に立った「米国株への積立投資(定時定額投資)」を市場実績で検証したいと思います。
図表3は、約30年前の1993年初に3万円を米国株(S&P500総収益指数/円換算)に投資し、その後も毎月末に3万円ずつを継続的に投資してきた場合をシミュレーションしたものです。
1993年初から364回の定時定額(積立)投資を実践すると、累計投資額は簿価ベースで1,092万円(=3万円×364回)となりました。そして「ドルコスト平均法」と「複利運用」(雪だるま)効果で、投資元本の時価評価額は約7,041万円に膨らんできました(2023年3月末時点)。
これは、時価評価額が累計投資額(累計投資元本)の約6.45倍に成長してきたことを示します。
約30年の間には、ITバブル崩壊(2000年)、リーマンショック(2008年)、コロナショック(2020年)、インフレショック(2022年)などに伴う景気後退や株価下落を挟んできました。また、為替市場でもドル/円相場が乱高下した場面は多々ありました。
長期投資を実践する間に株価や為替が大きく変動するケースは珍しくありませんが、長期で振り返ると円換算した米国株が預貯金はもちろん確定利回り証券や日本株を大きく上回り、資産を増やすことができた市場実績がみてとれます。
円換算の米国株に定時定額投資を続けた場合の長期的な資産形成効果を再認識したいと思います。
<図表3>円換算した米国株への長期積立投資の検証
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