みなさん、こんにちは!

 4月といえば、お花見と新年度・入社式ですね。

 3月下旬~4月初旬にかけて、日本で満開のさくらを見ようと、世界各地からの観光客で、日本国内空港はとにかく混雑という状況。

 特に4月3日には、多くの企業や官公庁で入社式が行われました。新型コロナ政策緩和以降、初めてとなる対面形式での入社式も多く、新社会人の方々は期待と不安を胸に、新たな一歩を踏み出したことでしょう。日本航空(JAL)は羽田空港の格納庫、相模鉄道は電車車内での入社式など、ユニークな話題も見られました。

 これから迎えるゴールデンウイーク。今年は休暇調整次第で9連休も可能となるため、海外渡航制限の緩和に伴い、海外旅行の需要も回復しそうですね。

インフレ鈍化観測で米国株式相場が回復基調!

<直近3カ月のS&P500指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 2023年3月の米国株式市場は、同国の銀行破綻が相次いだ影響で相場が一時急落しました。ただその後は、金融当局の迅速な対応による不安緩和、インフレ鈍化の観測から利上げペースの調整期待が膨らんだこともあり、株式相場は持ち直しました。ダウ工業株30種平均は前月比+1.89%、S&P500種指数は同+3.51%、ナスダック総合指数は同+6.69%でした。

 3月10日から12日にかけて二つの銀行が経営破綻し、世界に衝撃を与えました。10日に経営破綻したシリコンバレーバンクは、IT関連スタートアップ企業への積極的な融資で知られており、2022年末時点の総資産は約2,090億ドル(およそ28兆円)でした。

 2008年の金融危機に起きた貯蓄金融機関「ワシントン・ミューチュアル」の破綻に次ぐ2番目の規模です。わずか2日後の12日に、シグネチャーバンクも経営破綻を発表しました。ニューヨークに拠点を置き、暗号資産関連企業向けの融資などで知られています。

 昨年来の政策金利の引き上げの影響から、価格下落した債券の売却損失が生じたほか、顧客企業の資金繰り悪化から、預金が一斉に引き出されたことが、銀行経営の悪化につながったと見られています。

 3月14日には、注目の2月CPI(消費者物価指数)が発表。前年同月比+6.0%と市場予想と一致、1月分の+6.4%から伸びが鈍化し、8カ月連続で伸び率が縮小しました。また、変動の大きい食品・エネルギーを除くコアCPIも前年同月比+5.5%と、伸び率が5カ月連続で縮小しました。金融引き締め長期化への過度な警戒感が和らぎ、相場が反発しました。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は、3月21~22日に開催した定例会合で、市場予想通りとなる政策金利の0.25%引き上げを決定。追加利上げの可能性も示唆しました。3月31日に発表された2月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)は、前月比+0.3%で市場予想の+0.4%を下回り、1月分の+0.5%から鈍化しました。

 その後、米労働省が4月7日に発表した3月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が23.6万人増と市場予想を下回ったものの、失業率は2月の3.6%から3.5%に低下。25~54歳の人口に占める雇用者比率は80.7%と、2001年5月以来の高水準にまで達しました。

 総じて、相場の落ち着きにつながる経済指標ではありましたが、引き続きインフレ状況や利上げ施策の材料となる、経済指標に注目しましょう!

中国経済回復のカギは国内需要の拡大?

<直近3カ月の香港ハンセン指数の推移>

出所:楽天証券ウェブサイトより

 2023年3月の香港株式市場は、米国の銀行破綻をきっかけに広がった金融システム不安や同国の金利政策の不透明感などから、高安まちまちの相場となりました。主要指数である香港ハンセン指数の3月末終値は2万400.11ポイント、前月末から3.1%高、大台の2万ポイントを維持。同じく上海総合指数は3,272.86ポイント、前月から0.22%安となりました。

 昨年末、約3年間にわたる厳しい新型コロナウイルス規制を解除したことで、1月下旬からは商業施設の消費者も戻り、企業の生産活動も再開され、景況感は回復基調となっています。各地域当局も、1~3月に積極的な消費促進イベントを実施したことで、消費・観光市場全体の底上げにつながっています。

 ただ、4月3日に財新/S&Pグローバルが発表した3月中国PMI(製造業購買担当者景気指数)は50.0と、景況悪化と改善のまさに分岐点という結果に。前月の51.6から低下し、市場予想の51.7を大幅に下回りました。中国国家統計局が3月31日に発表した同指標からも、改善ペースの鈍化が示されました。

 景気回復の基盤がまだ強固とは言えず、2023年の中国経済回復の鍵は、「安定成長」という最重要課題の下、特に消費回復ペースをどの程度まで加速させられるかになっていきそうです。

2023年3月の個人投資家に人気だった外国株式銘柄は!?

■2023年3月 米国株式買付金額ランキング

順位 ティッカー 銘柄名 最低
購入金額(円)
関連する
テーマ
1 TSLA テスラ 24,613 電気自動車
2 SOXL Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF 2,081 レバレッジETF、半導体
3 NVDA エヌビディア 35,959 半導体大手
4 COIN コインベース 8,172 ブロックチェーン、暗号通貨
5 SOXS Direxion デイリー 半導体株 ベア 3倍 ETF 2,522 レバレッジETF、半導体
6 SQ ブロック 9,057 モバイル決済サービス
7 META メタ・プラットフォームズ 28,741 インターネット サービス
8 VYM バンガード・米国高配当株式ETF 14,087 ETF、高配当株式
9 AMZN アマゾン・ドット・コム 13,574 小売り大手
10 VTI バンガード・トータル・ストック・マーケットETF 27,027 ETF、米国株式
※楽天証券内買付金額ベース。2023年3月1日~3月31日、国内約定日ベース。

■個別銘柄の米株積立人気ランキング

順位 ティッカー 銘柄名 最低
購入金額
(円)
関連する
テーマ
1 KO コカ・コーラ 8,359 飲料大手
2 AAPL アップル 21,900 スマホ、PC
3 T AT&T 2,613 通信大手
4 JNJ ジョンソン・エンド・ジョンソン 21,965 ヘルスケア製品
5 TSLA テスラ 24,613 電気自動車
6 MSFT マイクロソフト 38,783 ソフトウェア製品大手
7 PG プロクター・アンド・ギャンブル 20,245 パーソナル用品大手
8 AMZN アマゾン・ドット・コム 13,574 小売り大手
9 VZ ベライゾン・コミュニケーションズ 5,250 通信サービス
10 NVDA エヌビディア 35,959 半導体大手
※楽天証券内米株積立設定人数ベース。2023年3月31日時点。
※株価は2023年4月7日の終値、最低購入金額は1米ドル=133円で試算。
※最低購入金額は手数料を考慮しておりません。

 楽天証券における2023年3月の米国株式買付金額ランキングでトップとなったのは電気自動車大手「テスラ(TSLA)」で、3カ月連続の1位となりました。

 ネガティブな話題となったのは、4位にランクインした「コインベース(COIN)」。米国サンフランシスコに本社を置く暗号資産(仮想通貨)取引所であり、ビットコイン、ビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコインなどの暗号資産の取引サービスを提供しています。

 2021年4月に米ナスダック市場に上場し、同年8月に日本進出したものの、今年1月には全面見直し、日本での既存顧客取引停止、預かり資産の返還を発表しました。同月には全従業員の2割にあたる約950人を削減する方針も明らかにしています。

 3月にはSEC(米証券取引委員会)がコインベースに対し「ウェルズ通知」と呼ばれる公式通告。証券取引法に違反しているとの疑いから同社を提訴する予定という内容でした。

 米株積立の個別銘柄ランキングにてトップの座を獲得したのは、世界最大飲料メーカーの「コカ・コーラ(KO)」でした。

 3位にランクインした米国通信大手「AT&T(T)」や、4位の総合医療メーカーの「ジョンソン & ジョンソン(JNJ)」、7位の世界最大日用品メーカーの「プロクター&ギャンブル(PG)」など、いずれも古くから「配当貴族銘柄」として知られています。

 過去の歴史を見ても、複数回の景気サイクルを経験してきた企業です。各社の商品は日常的に消費される存在として景気変動局面にも強く、また、高いブランド力によって価格競争にも巻き込まれにくいという強みを持っています。

 自身が日々使用する信頼ブランドへの積立投資ができるというのも、米国株式取引を始める魅力の一つと言えるでしょう。3月26日からは、スマートフォンサイトでも米株積立設定が可能となりました。より使いやすくなった米株積立を、ぜひご検討いただければ幸いです。

■2023年3月 中国株式買付者数ランキング

順位 ティッカー 銘柄名 最低
購入金額(円)
関連する
テーマ
1 9988 阿里巴巴集団控股(アリババ・グループ・ホールディング) 166,175 ネット通販最大手
2 2800 トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン 174,590 ETF、ハンセン指数
3 3988 中国銀行(バンク・オブ・チャイナ) 51,510 金融(銀行)
4 1810 小米集団(シャオミ) 41,072 スマホ大手・IoT家電
5 2836 iシェアーズS&P BSEセンセックス・インディア ETF 111,588 ETF、BSE SENSEX指数
6 175 吉利汽車(ジーリー・オートモービル) 165,750 自動車メーカー大手
7 1211 比亜迪(BYD) 1,932,900 自動車・電池メーカー
8 857 中国石油天然気(ペトロチャイナ) 162,860 中国最大級の石油グループ
9 700 騰訊控股(テンセント・ホールディングス) 655,180 インターネットサービス大手
10 9961 携程集団(トリップ・ドットコム) 249,390 世界最大のオンライン旅行会社
※楽天証券内買付者数ベース。2023年3月1日~3月31日、国内約定日ベース。
※株価は2023年4月6日の終値、最低購入金額は1香港ドル=17円で試算。
※最低購入金額は手数料を考慮しておりません。

  楽天証券における3月中国株式買付者数ランキングでトップとなったのは、ネット通販最大手「アリババ・グループ・ホールディング(9988)」。3カ月連続の結果となりました。

 10位にランクインした「トリップ・ドットコム(9961)」は、世界最大規模のオンライン旅行会社であり、「携程(Ctrip)」「Qunar.com」「Trip.com」「Skyscanner」といった旅行サイトを通じて、中国を中心に国内・海外ホテルや航空券、新幹線、レンタカーなどさまざまなオンライン予約代行業を手掛けています。

 3月7日に発表された2022年12月本決算では、売上高が前年比0.1%増の200億5,500万元。純利益は14億300万元と、5億5,000万元の純損失を計上した前年から黒字転換を果たしました。中国では年初から移動規制の解除を受けて、春節連休(1月21~27日)の旅行予約が旺盛で、国内と海外旅行の予約件数はそれぞれ前年同期から5倍と6倍に増えました。

 香港では4月にイースター、中国では5月にメーデーの連休があり、新型コロナウイルスの感染収束を受けて世界的に旅行需要が高まっていることが、同社事業にも追い風となりそうです。