今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)
今週は、決算シーズンに入り、金融関連の第1四半期決算が注目となります。また、今週発表される重要インフレ指標があり、結果次第でFRBが利上げ軌道を見極めることになりそうです。
3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録公表もあり、指標では、3月CPIやPPI(卸売物価指数)などの重要インフレ指標に加えて3月小売売上高の発表が予定されており注目となります。
金融不安に加えて、経済と力強いと見られていた労働市場までもが悪化した可能性が強まっているにもかかわらず、インフレが急速に鈍化する兆候はまだ見られませんが、FRBは依然追加利上げが必要との姿勢をみせています。そのような状況で上値を抑えられる神経質な相場が続きそうです。
一方で、4月は季節的に税還付金が相場に流入するため、年を通じて相場は強い傾向にあります。金利低下はハイテク株の買いを支援すると思われます。
今週は重要な経済指標の発表がありますので相場の値動きに一喜一憂せず、下げたら買い、上がったら手を出さない、という心に余裕を持った投資を心がけたいところです。
先週の動き
前週からの金融システム不安が後退したことを受け上昇が継続し、4月3日(月)は原油高も加わってエネルギー株が上昇し、+327ドルの3万3,601ドルと4日連続の大幅続伸となりました。
4日(火)は、2月雇用動態調査で求人件数が予想を下回ったことで、NYダウは▲198ドルと5日ぶりに反落。その後は5日(水)+80ドル、6日(木)+2ドルと3連休前に小幅な値動きとなりました。7日(金)は、グッドフライデーで休場。
今週の指標:ドル/円
今週は米国経済の先行き不透明感が広がり、FRBによる金融引き締め方針の後退を見込んだドル売りが見込まれる一方で、5月のFOMCに向け、利上げ停止の観測は根強いと思われます。
3月米雇用統計で失業率は低下しましたが、2月JOLTS求人件数は1,000万件の大台を割り込み、3月ISM(米サプライマネジメント協会)景況感指数で雇用の伸びが鈍化するなど、労働市場の収縮が懸念されています。FRBはこれまで強い雇用情勢を背景に引き締め政策を進めてきましたがその土台が崩れ始めています。
また、タカ派寄りのクリーブランド連邦銀行メスター総裁は、「金利はもう少し上昇してから維持すると見込む」と述べ、その一方で、5月のFOMCで利上げを決定するかどうか「まだ言及できない」と慎重な姿勢を示しています。4月12日に公表されるFOMC議事録で利上げ休止に関する議論の詳細が判明すれば、ドル安となります。
5月のFOMCで0.25%の利上げの予想ですが、今週、発表される3月CPIや小売売上高が市場予想を下回った場合は、5月利上げを想定したドル買い・円売りは大幅に縮小する可能性があります。予想レンジは、129~133円とします。
先週の動き
先週は、米国での4日(火)の2月JOLTS求人件数が予想を下回り、引き続いて5日(水)の3月ADP雇用者数や3月ISM非製造業や3月PMI(購買担当者景気指数)も予想を下回ったことで、1ドル=130.62円まで売られました。しかし、週末の7日(金)は、10年債利回りが一時7カ月ぶりの水準まで低下したことで反発し、132.14円で引けました。