今日の為替ウォーキング

今日の一言

期限を決めていないものは、目標ではない。数字と期限を明確にして、ようやく目標になるのだ

Here I Go Again

FRBは利下げしない

 FRBは、失業率を過去最低水準の4.0%以下に維持しながら、インフレ率を目標値の2.0%まで下げたいと考えている。しかし、多くのエコノミストは、インフレを短期間で急激に押し下げようとすると、失業率は4.0%どころか5.5%を超えて上昇するリスクが高いとして、FRBの予測はあまりに「楽観的」だと批判している。

 もし失業率が上昇し、就業者の伸びがマイナスになれば、FRBは利上げを中止あるいは利下げを開始するだろうか。しかし、そのような日はしばらく来ることはないだろう。

 なぜかというと、米国の労働市場における人手不足の理由のほとんどは新型コロナ感染流以前から存在していて、今も改善されるどころか、むしろ悪化しているからだ。FRBが利上げを続けても雇用市場の過熱は続き、インフレは高止まり状態が続く可能性が高いのだ。

 米労働市場のひっ迫は、経済学というよりも人口学の問題である。移民を増やしたり、より多くの成人を労働市場に引き込んだりする努力をしなければ、労働供給不足の問題解決の達成は困難なのだ。

 雇用統計に関する限り、マーケットが期待するような、FRBに政策転換を促すようなサインが表れることは当面ないだろう。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成