今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 先週末は、ドイツ銀行の経営悪化の状況の中、売り一巡後はFRBが利上げを継続できないとの見方や利下げ観測も浮上したことで、ダウ工業株30種平均はプラスで引けました。FRBの方向性がハッキリすれば米株価は再度、戻りを試す方向の動きとなりそうです。

 ただし、これによって金融システム不安が完全になくなるわけではないので、何かキッカケがあれば再燃することになり、しばらくは要注意といえます。

先週の動き

 先週は、地方銀行の経営破綻や業績悪化が相次ぎ、金融当局やFRBの素早い対応もあり、相場は大きな上下動となりました。

 週始めの20日(月)は、クレディ・スイスをスイス最大手UBSが買収するとの報道で最悪な結果が後退し、NYダウは+382ドルと反発、21日(火)も+316ドルと続伸。22日(水)は、イエレン財務長官の「預金補償を無制限に拡大するつもりはない」というコメントを受けて、▲530ドルの大幅反落。23日(木)は、下げすぎの反動もあって主要3指標は反発し、NYダウも+75ドルでした。

 週末の24日(金)は、欧州でスイスに続きドイツ銀行の経営悪化懸念でNYダウは大きく下げて始まるものの、米国の利上げスタンスの後退観測が支援材料となり、NYダウは+132ドルの3万2,237ドルと続伸しました。

今週の指標:ドル/円

 今週は、米長期金利が低下する中、FOMCでは2023年末の政策金利見通しの中央値が5.1%で据え置かれたことで、あと0.25%の利上げで達成される水準となり、利上げのピークアウト期待が膨らみました。

 そうした中、市場では5月のFOMCでは金利は据え置かれ、年後半に向けての利下げを予想する見方も増えており、それとともに米長期金利は低下基調にあります。この流れが一段のドル安・円高を進行させそうで、129円台へ進むのか注目となります。予想レンジは129~131円を想定。

先週の動き

 先週は、前週から引き続き金融不安からドルが売られ、1ドル=132円台後半からドル安・円高基調となりました。3月23日(木)は、米国で新規失業保険申請件数が減少し、追加利上げ観測からドル買いが再燃し、130円台前半となりました。

 週末24日(金)は、ドイツ銀行の経緯状況悪化懸念で欧州金融危機懸念からリスク回避の円買い・ドル売りが継続しましたが、米3月製造業・サービスPMIが予想外に改善し、ドル/円は129.40円から130.90円までドルが買われ130.72円で引けました。