今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは134.30円
↓下値メドは132.20円
ECB:ドイツ連銀総裁「利上げを早く止めるのは『大罪』」
世界インフレ:FRB、中国経済再開による世界的インフレ圧力を警告
FRB:金利市場が予想するFF金利の終着レートは7月、5.38%
日本経済:外国人観光客で小売売上高1.9%上昇
中国:中国の米債券保有額、ほぼ変わらず。縮小は確認されず
原油:ロシア産原油、ギリシャ沖の公海上で他国籍のタンカーに積み替え。原油上昇しない一因
エネルギー対策:欧州、節約でガス消費20%減、備蓄は過去10年で最大に 023
パウエル議長:FOMC後の記者会見の発言で「インフレ」99回、「ディスインフレ」 0回
米賃貸料:低下の兆し。大都市のアパート代が6カ月連続で下落
利上げ:FRBの量的引締め、2026年まで継続か。あと2.5兆ドル
クレディ・スイスの「今、そこにある危機」は回避された。米国でも、破綻したシリコンバレー銀行の預金は全額保護されたし、経営不振のファースト・リパブリック銀行には、JPモルガン・チェースなど金融大手11社が計300億ドル(約4兆円)の支援の手を差し伸べた。
しかし、これで無事終了というわけではない。今回の背景にはFRB(米連邦準備制度理事会)の急激な利上げも指摘されている。中央銀行が金融引き締めを続ける限りは、次の事件が起きる可能性があるし、そうなった場合、リーマン・ショックに匹敵する金融危機に発展するリスクは常にある。
クレディ・スイスは、スイスのGDP(国内総生産)の7割以上の資産を持つ、欧州最大級の金融コングロマリットである。しかし、近年の同社に関しては悪いニュースばかりで、米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントや英投資会社グリーンシル・キャピタルとの取引失敗では、80億ドル(約1兆1,000億円)以上もの巨額損失を被っている。損失の合計額は同社の年間収益の2.5倍以上に相当し、信用力に大きな打撃を与えた。
これは、欧州の銀行セクター全体というよりも、クレディ・スイスのビジネスモデルの問題である。とはいえ、同社はグローバルにビジネスを展開しているため、金融市場全体に深刻な影響を及ぼすリスクがあった。そのような時に、米国でシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行が破綻したのだ。
クレディ・スイスが両行と密接な取引関係にあったことで経営不安の噂が瞬く間に広がり、同社の株価が暴落した。説明会見を開いた時にはもう遅かった。2008年のリーマン・ショックと今との大きな違いは、情報がソーシャルメディアを通じてあっという間に世界中に拡散することだ。しかも悪い噂ほど「増幅」されて伝わる。