今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは135.05

下値メドは133.15円

FRB:FRBの金融政策は、中立金利を考えるとまだ「緩和的」である 
ルイ・ヴィトン:中国での販売価格を最大20%値上げ
原油:OPECが、2023年の需要見通しを上方修正
中国:輸出の低迷続く。12月の輸出は前年比9.9%下落 
中国経済:中国の国内旅行、前年比95%増。旅行客数、前年比80%増

 シリコンバレー銀行破綻による市場のパニックはおさまりつつあるようだ。FOMC(米連邦公開市場委員会)が0.50%の利上げをする可能性はほぼゼロになったが、一方で、「即刻利下げ」との過激な予想もまた後退している。

 米国経済は2カ月で80万人の雇用を増やしインフレは6.0%で高止まりしている状況で、FOMCが来週の会合で利下げあるいは利上げ中止を決定したならば、「FRB(米連邦準備制度理事会)は何か重大な事実を隠しているのではないか」と、逆にマーケットのパニックを煽ることになるだろう。

 3月14日(火曜)のドル/円は「円安」。
 1日のレンジは133.02円から134.90円。値幅は1.88円。 

 2023年52営業日目は133.24円からスタート。

 シリコンバレー銀行破綻で強まったドル売りの流れを引き継ぎ、東京時間朝に133.02円まで円高に動いて前日の安値(132.29円)を更新したが、過度の警戒感が薄れるとともに下落も歯止めがかかった。

 海外市場に入ると、欧米株価の反発に合わせて134円台を回復し、さらに夜遅くには134.90円まで円安に動いて安値をつけた。終値は134.24円(前日比+1.02円)。

 高値は135円には届かなかったが、まずは先週末の雇用統計に下げた分(-1.05円)を取り戻した。

レジスタンス:
134.90円(03/14)
135.04円(03/13)
135.90円(200時間移動平均)

サポート:
133.02円(03/14)
131.48円(02/14)
131.21円(02/13)

 米国投資銀行大手ベア・スターンズの経営が実質的な経営破綻に陥ったのは、今からちょうど15年前の2018年3月16日だった。今振り返ると、リーマンショックに連なるGFC(世界金融危機=Global Financial Crisis)の幕開けだった。シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻と、15年前のベア・スターンズの破綻を重ね合わせて、米国経済のハードランディングを危惧する見方が増えている。

 パウエルFRB議長が「3月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では0.50%の利上げを実施する必要がある。」と議会で証言した。それからわずか1週間のうちに金利市場では0.50%利上げの予想は消え、「0.25%か見送り」がほぼ半々だ。

 FRBが利上げをどこまで続けることは今後の状況次第だが、確実なことは、利上げの後には大幅な利下げを余儀なくされることだ。金利市場では早くも6月と7月の利下げを織り込み始めている。

 その一方で、ポートフォリオ運営や暗号資産サービスに失敗した銀行に逃げ道をつくるために、FRBがインフレとの戦いを途中放棄することこそが、米国経済を悪化させるとの主張もある。

 タイミングが悪いことに、今はブラックアウト期間中のため、パウエルFRB議長はじめFOMCのメンバーがどのような考えを持っているか知ることができない。FOMCは来週21・22日に開催される。 

2023年 ドル/円 データ

主要指標 終値

出所:楽天証券作成