日米金利差に反応して、円高・円安に大きく振れるドル/円
ドル/円為替レートが激しく乱高下しています。昨年10月21日に一時1ドル=151円台後半まで円安が急伸して驚かれました。そこから一転して円高が進み、1月16日は一時1ドル=127円台前半を付けました。しかしその後、円安に反転し、3月8日には一時137円台後半を付けました。
なぜ、このように乱高下するのでしょう?
<ドル/円為替レートと、米2年・10年金利の動き:2022年7月1日~2023年3月13日>
ドル/円を動かす最大の要因は、ドル金利です。
【1】ドル金利が上がるとき、ドルが買われ円安(ドル高)になりました。
【2】ドル金利が下がるとき、ドルが売られて円高(ドル安)になりました。
厳密に言うと、ドル/円を動かす最大の要因は、日本と米国の金利差です。日本の金利がこれまでほぼゼロ近辺に固定されていたので、ドル金利がほぼ日米金利差になっていました。
ところが、最近、ほんの少しだけ日本の10年金利が上昇しています。昨年までゼロ近辺に固定されていたのが、最近は0.5%まで上昇しています。円金利の動きも、少しずつドル/円為替レートに影響を及ぼすようになりました。
【3】円金利が上がるとき、円が買われ、円高(ドル安)になる傾向が出てきました。
【4】円金利が下がるとき、円が売られ、円安(ドル高)になる傾向があります。
ドル/円を動かす要因は、たくさんあって分かりにくいですが、金利に注目すればシンプルです。日米金利差が開くときは、円安(ドル高)。日米金利差が縮小するときは、円高(ドル安)と考えていれば、だいたいその通りに動いています。
もちろん、ドル/円が、それ以外の要因で動くこともあります。短期的に金利差と異なる方向に動くこともあります。それでも、長期の目線で見れば、金利差が為替の動きの背景にあることが明らかです。