今日の為替ウォーキング

今日の一言

株式市場は、忍耐力が無い人から忍耐強い人へ資金を移動させる装置だ - ウォーレン・バフェット

Let’s Groove

 今夜は2月の米雇用統計の発表がある。すでに発表された民間版雇用統計のADP雇用データは、24.2万人増で、予想(20.0万人増)を上回っただけではなく、前回(10.6万人増)から大幅に伸びた。2月雇用統計が予想を超える強さになれば、今月の会合でFOMCが0.50%利上げを行うことは、ほぼ確定となる。

 一方で、新規失業保険申請件数は予想(165.9万人)に対して、171.8万人という結果だった。これは失業率が急増しているということだ。失業保険継続受給者数も増えている。

 2月のドル/円は128.10円から136.90円まで、1ヵ月で9円近くもドル高/円安に動いた。そのきっかけとなったのが、1月の米雇用統計だ。

 先月発表された1月の雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者数)が事前予想の19.0万人に対してその2倍以上の51.7万人も増えた。FRBがインフレ上昇の大きな原因として労働賃金の高騰を指摘するなかで、昨年の月平均の20万人増を超えただけではなく、パウエルFRB議長が目指す「月10万人程度」を著しく上回った。NFPの「モンスター級」増加は、FRBの雇用市場の熱を冷ますという目的が全く達成されていないことを意味する。

 その一方で賃金上昇率は緩やかに下落していることが確認された。FRBが問題視しているのは賃金の急騰が招くインフレであって、雇用を減らしたいわけではない。むしと「雇用が増えてインフレが上昇しない」状況こそFRBが目指している状態なのだ。

 そう考えるなら1月の雇用統計は、FX市場にはリスクオンのドル安になってもよかった。ただこの時はマーケットの頭がドル安で占められていたところに予想の外れっぷりが凄まじく、目先のポジション解消で大忙しでそんな余裕がなかった。今はポジション調整も一段落した。今月の結果をFRB、そしてマーケットはどのように判断するか。

 2月雇用統計の詳細には、ぜひ「最近の雇用統計の予想のハズレっぷりがひどすぎる!金曜夜の発表はどのポイントをおさえるべきか?」をお読みください。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成