今日の為替ウォーキング

今日の一言

10の力をもって1時間でできることは、5の力をもって2時間でできるとは限らない

Smooth Operator

 FRBの利上げ政策は「どれだけ早く」から、「どれだけ高く」へと重点が移った。

 昨年の0.75%という大幅利上げはやめるが、そのかわりに小幅な0.25%の利上げを長期間続けることで、より高い終着(ターミナル)レートを目指すことに方針を変更した。

 利上げ効果が経済に浸透するまでにはある程度時間がかかる。積極的な利上げがもたらすリセッションという副作用の大きさを考えると、そろそろペースを落とす頃合いだという見方も広がっている。

 FOMC(米連邦公開市場委員会)は、4会合連続で0.75%の利上げを実施してきたが、12月会合では利上げ幅を0.50%に緩めた。今年2月の会合では、2022年3月から数えて連続8回目となる利上げを決定したが、利上げ幅は0.25%にペースダウンした。

 さらに来年のいずれかの時点では「利下げ」との見方もでている。しかし、FRBはマーケットの行き過ぎた楽観論を決して快くは思っていない。

 ウォラーFRB理事は、CPIについて「ある時点のデータに過ぎず、あまり深読みしてはいけない」と警告する。現在の6%近いインフレ率は、FRBの目標値2%と比較して「とんでもなく高い」と指摘し、利上げ休止期待を完全否定した。

 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は、0.50%利上げを「ハト派的」と考えること自体が間違いだという。「FOMCは1983年から合計88回利上げをしてきたが、そのうち75回は0.5%より低かった。」

 重要なことは、パウエルFRB議長をはじめFRBの多くのメンバーが「政策金利の終着レートはまだ高くなるべきだ」という考えを持っていることだ。「利上げ減速」は累積効果を測定するためであって「利上げ停止」ではない。インフレの状況次第によっては加速することも十分ありえる。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成